俺は、勇者パーティーの大魔法使い。自分で言っちゃおかしいが、Lv10の魔法を使いこなす天才だ。
俺たちのパーティーは、勇者の兄貴を筆頭に剣聖、タンク、聖者と俺の
最強と自負している。
もっかの悩みは、最強のLv10魔法を使う相手が居ないこと。
俺に。いや。世界にとっては深刻な悩みだ!
だが、居るんだよ。大魔王なら最強魔法が、存分に撃てる・・・楽しみ!
俺たちの旅は順調に進み、大魔王との決着を残すのみ。そう!最強魔法を使うのみだよ!
そして、目の前には大魔王。
前衛には、勇者の兄貴が対峙している。俺は早速、待望の最強魔法の呪文を唱える始める・・・が?
呆気なく戦いは終わった。
・・・全てが終わったのか。
俺の。オレの。おれの今までは。
何だったのか。
憎しみがそして、悲しみが、こみ上げてくる。
耐え難い、何かが沸き起こる。
俺の目に、いや心に灯る憎しみの感情。抑えきれない何かが怖い。
いや!俺の戦いは終わっていないぞ!!
確かに俺は認識した。
勇者こそ俺の敵なんだと!