扉を開けると見知らね草原が広がっていた。
唖然とする男。
後ろを振り向くと見慣れた部屋がある。
再び草原に目をやると、微かに城壁らしき物が確認出来る。
「これは、異世界?それとも夢の中?」
ほっぺをつねり、痛さを感じた。
「夢じゃ無い。まさしく異世界に来たんだ。家の扉が異世界に繋がったんだ。ラッキー!」
男は、不安よりこの不可思議な状態に喜びを隠しきれなかった。
男の頭の中は、想像と妄想が混ざりあい、爆発寸前となる。
さあ一歩を踏み出そうとした時に、突然に天から女性の声が!
「ご免なさい。間違えちゃったの、直ぐに戻すわね。」
声と同時に異世界の風景は、見慣れた部屋に戻った。
「・・・。」男は、声と希望を失った。