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第144話 夢に見たヒーロー

男は幼き頃の夢を捨てきれず、心の片隅に残したままで大人になる。

それが他の人から見ると笑われるモノで有れ・・・。


[ ヒーロー ] になりたい。


子供の頃、テレビにかぶり付く様に見た特撮ヒーローに。

思う存分に遊び尽くしたゲームの勇者の様に。


何時かは成れると信じていた子供の頃。

成れると筈が無い事を知っている大人の自分・・・。


ある日 男は召喚された。

瞬く間の出来事だった筈、意識が現実に追い付いた時は彼の姿は、華やかな鎧を纏った勇者だった。


喜びを隠しきれない。

喜びが表示に表れている事だろう。


さあ!これからどの様な冒険が始まるのかワクワクが止まらない。


その時、予期せぬ言葉に振り返る。

「勇者 あああよ。

魔王からこの世界を救ってくれ。」

そこには、いかにも王様らしい人物が見下ろしていた。


「勇者 あああ?俺の名前?」


思い出した。俺もゲームの勇者の名前を簡単にひらがな最初の [ あ ] から始めた事を。


一文字では、物足りなくて二文字では時数が中途半端な感じがして、三文字の [ あああ ] にしていた事を。


これはゲームなのか?

誰がプレイヤーなのか?

神様?


俺はこれからどうなるのか。

不安がいっぱいだが、少しワクワクもしている。


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