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第156話 命の厚み ①

この国では、13才の時点で神よりスキルが与えられて成人となる。

与えられたスキルに依っては、一人立ちが当たり前の世界であった。


ある男が、神より与えられたスキルは、[ 重厚 ] 名前から言っても守備に係わると考えられ、彼は迷う事なく、冒険者を選んだ。


彼は初めて村を出て、近くの町のギルドで登録をすることで初級クラスの冒険者としての生活が始まった。


男が冒険者登録と同時に意識の片隅に 2000の数字が浮かび上がっている事に気付く。

「2000? 何この数字は?」

今の所はスキルに関係するのかは不明であったが、暫くすると気にもならなくなった。


初級クラスは、薬草採集が依頼として有り、森と草原の境目辺りが主な採集場所となるが弱い魔物もいる初心者にとっては危険な場所でも有る。


早速、薬草採集を依頼として受け、

村を出る際に餞別として頂いたお古の皮鎧と錆びた剣を装備して出発した。


城門を出て暫くすると、草原が見えてくる。草原では幾人かの冒険者が薬草採集を行っており、男も彼らに交じり採集を開始し始めた。


日も陰り始めた頃、薬草を束ねて帰り支度をし始めた男の後ろのから、

「ウゥー・・」唸り声が。

振り向くと一匹のウルフが飛び出し男を目掛けて突進してくる。



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