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第158話 命の厚み ③

神より与えられたスキル【重厚】。

男は冒険者として活躍を夢見た。

初めての薬草採取で魔物ウルフに狙われたが、傷付くこと無く倒してしまう。



宿に帰った男は、今日の出来事を思い浮かべながら、ウルフに噛みつかれた左腕を見直す。

やはり、噛みつかれた箇所には傷はなく、腕を回してみるが痛みもない。どうやら支障は無さそうだ。

意識の中に【2000】の数字が浮かび上がるが、特に気に掛けること無く、その日はベツトで眠りに付いた。


翌日は、朝早くからギルドのカウンターでウルフ再度【薬草採取】依頼を受ける。その際に、昨日のウルフの代金として、銀貨5枚を受けとる。


初めての魔物代金に少し浮かれ気味に職員から、「たまたまの幸運に浮かれない事」と釘を差されて、静かに草原に向かった。


空は快晴。

草原は、新人冒険者が、薬草採取に勤しんでいる、

男も彼らに混じり、薬草採取を行う。


草原は魔物の出現が少ないとは言え、ゼロでは無く、運が悪いことに草むらから、数ひきの角ウサギが新人冒険者に向かい突進して来た。


新人冒険者達は、各々が避ける様に散り始める。


男も、避けよう身をかわすが、足元の石に蹴躓き、転倒してしまう。そこに角ウサギが飛び掛かる。


やられたと男は覚悟したが・・・痛みが来ない。

角ウサギは、再び男に向けて角を振り掛かるが、

当たった箇所に傷は無く、少しの痛みも無い。


この時に男は確信した。俺は無敵になったのでは無いかと。


その後の男は、錆びた剣を振りかざし、恐れる事無く、角ウサギを次々と倒していく。


周りで見ていた新人数人をその場雇い、倒した角ウサギな解体と運搬を依頼した。




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