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第151話 召喚魔法

「大神官、魔王の軍勢に脅かされた王国の行く末は、そなたらに掛かっておる。

頼むぞ。

必ず勇者を召還してくれ。頼むぞ。」


王の願いを一身に受けた大神官は、

「必ずや王様のご心労を安らげる結果を出して見せます。ご覧あれ!」


部屋いっぱいに刻み込まれた魔方陣を取り囲む様に神官達が、一斉に魔力を魔方陣に注ぎ込む。


大神官は、天に祈りを捧げる。

「女神さま。王国を守るべき力を持つ勇者をお与え下さい。」



一人の小柄な男の子が、真新しい制服を着て、道を急いでいる。

間もなく中学校の入学式が始まろうとしている。

突如、足元に目映い光が・・・召還の魔方陣が光る。


驚く男の子は、急いで光の輪から逃れようと試みる。

ダメだ、片足が魔方陣に張り付き抜けない。男の子は、再度足を抜こうと力を込めた。


スポっと靴が脱げた。

光る魔方陣に張り付く片方の靴。

そして、徐々に光は薄まり、魔方陣も消えた片方の靴と共に。


小柄な男の子。成長と共に大きくなると見越して買った、大き目の靴に助けられた。



王国では、魔方陣の光が薄まった後に残された一足の靴・・・召還が失敗に終わった瞬間だった。




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