暗い闇の中に彼はいる。
彼は耐えた。
小鳥が嵐が過ぎ去るのを、身を縮こませる様に
ひたすらと耐えた。
彼への苛めは、小学生での些細なイザコザから始まった。
悪口から仲間外れそして暴力へ進むに長い時間は必要が無かった。
やがて中学生に進んでも、彼への苛めは収まることは無かった。
学校も先生も彼を助けにはならず、苛めはエスカレートするばかり。
彼の生きる地域は、閉鎖的な農村地帯、彼の唯一の救いは、高校進学でこの地域から出ること。
それだけを希望として生き抜いた。
だが、運命は彼に微笑ま無かった。
彼を追うかの様に、苛めっ子の主要メンバーが、
同じ高校に進学して、直に苛めは激化した。
耐えた。ひたすら耐えた・・・・やがて、彼は自ら命を断った。
彼の魂は、苦しみ悲しみそして恨みが籠り、やがて魔王として、復活を遂げた。
先ほど、部下の魔物から【勇者たちが召喚された】との一報が入ると、ニヤリと笑みを浮かべて指示を出した。
彼は魔王として復活する際に、悪神と契約を行っている。
彼の願いは叶えられそうだ。