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第3話

モルモルポカリの丘から降り、カペチブヌの樹が生い繁るあたり、だがと・・・は数人のともだちがつるんで、だべっているのを見つけました。


「ごきげんよう、しょくん!」

彼はウキウキした気分のまま、陽気に呼び掛けました。

「いいお日和だね。今日は森へ狩りに入れば、きっと大物がいっぱい獲れる!」


「どんぐりだって拾える。」

ひとりが答えました。

「釣りだってできる。」

またもう1人が。

「女とまぐわう・・・・、ことだって!」

残りのひとりが、はっきりとした言葉を投げつけました。


彼らの突き刺すような視線が、小脇に抱えた神さまに注がれているのに気付いて、だがと・・・は少々バツの悪い笑みを浮かべました。

「うん・・・まあ。そう・・・。」

彼はもぐもぐと言葉を呑み込むと、神さまを両手で前に掲げ、

「そういうことになった。」

と言いました。


まぐわう、と直接言った、いちばん大柄なひとりが、

「それが、ちゃちま・・・の渡した彼女の神さまだという保証は、どこにもない。」

と、とんでもないことを言い出しました。しかし予期していただがと・・・も、負けずにこう言い返しました。

ちゃちま・・・が、手ずから渡してくれた。これは、彼女の神さまだ。」


「おまえが盗んだのかもしれない。」

ひとりが言いました。

「無理やり奪い取ったのかもしれない。」

またもう1人が。

「いや、手先の器用なおまえが、土をこねて、似せて捏造したのかも!」

さっきのひとりが。


続いて、3人声をあわせて、まるで示し合わせていたかのように、こう叫びました。

「この・・・捏造フェイク野郎!」

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