魔王アバンとの戦いから数週間後。
「お菓子♪お菓子♪」
「お酒♪お酒♪」
「アイス♪アイス♪」
食材の買い出しにスーパー『ヨサゲヤ』に来ていた。
相変わらず3人は、違うことを考えている。
「お菓子とお酒とアイスは一個ずつ!」
「ケチ!」
「ケチ!」
「ケチ!」
「ケチじゃない!」
・・・まったく。
僕たちは買い出しを済ませて、家に帰る。
「それにしてもさー、アバンって、何で魔王になろうとしたんだろう?」
ロックが不思議そうに言う。
「前の魔王が、すごく嫌なヤツだったとか?」
イボンヌは食材を冷蔵庫にしまいながら話す。
「そう言えば、魔王の正体って謎だよね。」
桜花の言う通り、魔王の正体は謎に包まれたままだ。
アバンと戦った場所に魔王はいなかった。
アバンが殺したと考えるのが普通だろう。
でも、もし魔王がどこかで生きているとしたら・・・。
僕は、不安を消すように、首を振って言った。
「もう魔王はいないんだし、いいんじゃない?」
「ハクが、そんな感じでいいのか?」
ロックに突っ込まれた。
「ハク、変わったね。」
イボンヌにも、言われてしまった。
「ハクはハクだよ。大丈夫。」
桜花は、優しい。
「プハー。この一口のために生きてるな!」
イボンヌは、ビール片手にご機嫌だ。
「アイス美味しい♪」
桜花は、嬉しそうだ。
「おいらもアイス食べたいぞ!」
ロックも楽しそうだ。
色々なことがあったけど、僕らに日常が戻った。
転生が起こる理由や、他にも転生者がいるのかとか、謎は多く残っているけど、とりあえず、今は平和を満喫しよう。
僕ら4人。
最強のパーティ。
何があっても乗り越えられる。
きっと。
そのころ。
魔城村。
アバンとの戦いのあった場所。
「アバンめ、わたしを殺そうとするとは。しかし、わたしは諦めんぞ。」
玉座に黒い影がユラユラと揺らめいていた、、、。