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第15話 仲間集めよりも先に魔法を敵に試すぞ


 当初の目標は地下道からの脱出。

 その前にアンデッドの仲間集め。

 その前に魔法の試し射ち。

 この様に次々と目標を変えては、ジョージとミリカ達は暗い地下道を進む。


 道中ゴブリンランサー。

 ゴブリンアーチャー。

 ゴブリンメイジ。


 等と言った、数体のゴブリンの群れに何度も出くわす。


 そのゴブリン達は全て、ジョージとミリカ達の魔法で倒される。


 雑魚敵である彼等は、二人の魔法により、意図も簡単に命を狩り取られてしまう。

 ジョージの魔法でやられたゴブリンは胴体に大穴が空き。

 腹がえぐれて、奇妙な形に体全体がグニャリと曲がる。


 ミリカの魔法はジョージの放つ魔法よりは威力が幾分か低いが。

 その分、発射速度が速く。

 複数のゴブリンを、オートマチックの拳銃を撃つ様に次々と燃やし尽くし。

 真っ黒な灰の山にしてしまい、軽く倒す。


 ミリカは、脆く脆弱な肉体と弱く儚き命を持つゴブリン達が。

 自らの火炎魔法で焼き尽くされる様を見て呟く。



「何か、ゴブリンって弱いよね・・・魔法一発で吹き飛んでしまうなんてね?」


「ああ・・・そうだな、だからと言って魔法の乱発は寄しとけよ、魔力切れになったら撃てないんだからな」


 ゴブリンが弱く魔法で簡単に倒せる事に因って、戦闘が面白く無いと感じるミリカ。

 だが、魔力切れを心配するジョージは、気を抜くなと彼女を嗜める。



「魔力切れ? どうやって魔力の残量を確認するの?」


「ステータスで確認するんだよ」


 ミリカは魔力切れの確認の仕方が分からないので、ジョージに聞くと。

 ステータスで確認しろと教えたので、彼女は早速頭の中でステータスを確認する。



「あっ! 本当だ魔力残量が載ってる」


 ミリカは頭の中にステータスと念じ。

 浮かんできた魔力の残量ゲージを見ると、半分程ゲージが減っていた。



「これじゃ、ジョージの言う通りバカスカ撃て無いわね」


「だろ、まあーーこれからは魔法は節約して強い敵にしか使わないようにしよう」


 魔力の残量ゲージを確認して余り魔力を消費するのは良くないと気づいたミリカ。

 そんな彼女に、節約を提案するジョージ。



「そうね、そうしましょう」


「その方が良い」


 ジョージとミリカ達は、下らない雑談を止めて、再び奥に向かって歩き出した。

 そんな二人の行き先は、地下道が未だ続いていた。


 その後も、二人は・・・。


 グリーンスライム。

 イレイザーフライ。

 ポイズンスネーク。

 リザードクロー。

 洞窟ゴリラ。

 ゲジムカデ。


 等と言った魔物を倒す。

 ゲジムカデは、流石に気色悪かったので、即座に魔法を撃って倒した。


 ゲジムカデと洞窟ゴリラ意外のモンスターはそこまで強くなかった。


 なので、他の魔物は剣を一振りするだけで倒せる雑魚ばかりだった。

 そのお陰で、サクサクと簡単に倒して進む事ができる。



「んん?」


「はっ?」


 足音が聞こえて来る向こう側にジョージとミリカは目を凝らすと。

 人間の男女が、こちらに近づいて来るのが見えた。


 一人は銀髪ショートの女。

 黒の武闘着等の服装からして格闘家のようだ。

 武器は両手に鉄の爪を装備している。


 もう一人はインドの商人のようだ。

 太った体と白いターバンを巻いた頭。

 そして、背中に大きなバックパックを背負っているので、インド人ぽいとわかる。



「人間だ隠れるぞっ! さあ速く・・・」


「ええっ! いつもの手で・・・」


 姿の見えた男女の人間達から、身を隠す様に指示を出すジョージ。


 それをミリカは了承すると。



「いや、今回は正面からだ、魔法を使うぞ」


「へっ? 魔法を・・・」


 何時もの人間の振りをして、背後から奇襲を仕掛ける戦法を取らない。


 と、ジョージが言うと。


 ミリカは何故と頭に、?マークを浮かべて首をかしげた。



「あの二人の顔面に、ぶちこんで吹き飛ばすんだ」


「なにそれ、面白そうっ!」


 良い案が浮かんだと笑いを堪えてバイキンマンのような顔を浮かべるジョージ。

 その隣で、悪戯っ子ドキンちゃんのような意地悪な笑みを浮かべるミリカ。



「だろ? じゃ俺は右に、お前は左に隠れろ、もう少し近付いて来たら襲うぞ」


「分かったわ、左は任せて頂戴っ! 行くわよ、間抜けな人間さん達・・・もう少し近付いてきたら奇襲を仕掛けて上げるわよ」


 かくして、二人の人間を倒す計画は秘密裏に進められた。

 果たして、彼等は現れた人間の男女達に勝てるのだろうか。

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