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第18話 まだまだ仲間は集められず~~しかも敵とたくさん戦う


「使える物ねぇ、お菓子でも入っているかしら、それともジュースとかかなぁ?」


「ミリカ、甘いもんばかり想像して、お前は食いしん坊だな」


 甘いお菓子やジュースを欲しがるミリカに対して、ジョージは呆れた様に言う。



「仕方ないでしょ、だって好きなんだもん甘い物がぁ」


「はぁ、まあいい開けるぞ」


 ジョージはバックパックを開けてなかを覗く。

 中からは硬いパンや、沢山の瓶が見つかる。


 あの瓶か、あれは結局強酸だったのか、それとも何だったのか。

 ジョージはそう思い、瓶を一本取りだして描いてあるマークを見た。


 そしてこのビンが何なのかか分かった。

 この透明な瓶には、白い十字のマークが書いてあった。



「ミリカ・・・十字架のマークだ、このビンの中身は聖水だったんだ、だから俺やミリカは傷ついたんだ、これからは弱そうな奴にも気をつけなきゃな」


「そうね・・・もうあんなに痛いのはごめんなだわ、それにねぇジョージ私も疲れたわ、取り合えずあそこの崩れた柱の下に隠れて寝ましょう」


 ビンの中身は聖水だと、ジョージは、ミリカに見せながら語ると。

 彼女は、疲れたから寝ようと言い出した。



「ああ、そうしよう」


「あんたが最初は見張りね」


 ジョージが意見に賛成すると。

 急に満面の笑みを浮かべたミリカは、見張り役を押し付ける。



「ヘイヘイ、わぁーーてっますよ、お姫様」


「うむ頼むぞゾンビ騎士ナイトよ、じゃお休みなさぁ~いっ♥」


 ジョージが、そう言うと。

 ミリカは柱の下に入り、ガレキを集めつつ身を隠して寝始めた。



「さあ~~て、俺も体を隠して見張りますか」


 こうして、俺はミリカが目を覚ますまで見張りを続けた。


 数分後、目を覚ましたジョージは。


 しまった。

 何時間起きに交代にすれば良かった。

 時計がないから何時間たったのか、時間も分からないけど。


 と、思ったが後の祭だった。



「くはあくぅっ? はぁぁ・・・あっ! おはよ、ジョージ」


 ミリカは起き上がると、気だるそうに欠伸をしながら側に居たジョージに挨拶する。



「やっと俺の寝る番か、ミリカ見張りを頼むぞ」


「任せて頂戴っ! パーフェクトに見張ってるから」


 ジョージが見張りを頼むと、グーと親指を立て、にっと笑顔で答えるミリカ。



「はぁっ何がパーフェクトだよっ! とにかく俺は疲れてんだ、んじゃ? 寝るよ」


「ねぇ、ジョージ?」


 ジョージが寝ようとすると、ミリカはまだ話があるのか、彼に話しかけようとする。



「なんだよ、まだ何かあるのか?」


「おやすみっ! チュッ♥」


 面倒くさそうにジョージが振り向くと、突然ミリカは彼の頬にキスをした。



「おいっ! これは!?」


「おやすみのキスよ、でっ? 寝るんでしょ?」


 いきなりのキスに慌てるジョージだが。

 何を当然の事で騒いでいるのと言った顔で、ミリカは不思議がる。



「おい待て、何で俺にキスしてくるんだっ!」


「だって私達はさあーー夫婦って書いてパートナー」


 問い質してきたジョージに対し。

 ミリカは恥ずかしそうに両手を後ろで組んで、モジモジ体を揺らす。



「じゃないだろう、アホかっ!」


「ううっ! そんなっ酷い、人のいや? 今は吸血鬼の女の子の体をレイプしておきながら夫婦じゃない何て、しかもアホかって」


 ジョージの鋭い突っ込みに対して、ミリカは目に手の指を当てながら泣き真似をする。



「ちょっ? ミリカ、いや夫婦じゃないけど、まあアンデッドだし、パートナーではあるけどな」


「でしょっ! でしょっ!」


 ジョージは、泣き出したミリカを宥めようとしたが。

 彼女の泣き真似は、やはりウソ泣きだった。



「てっ! お前、やっぱ嘘泣きか」


「あちゃーーばれちゃったか、えへへ」


 ジョージが怒ると、ミリカは可愛らしく舌を出して笑って誤魔化そうとした。



「えへへじゃねえよっ! それにな? ミリカお前が言ったんだろ、アンデッドは人間を襲うのは当たり前だって」


「あれれ~~そうだったっけ?」


 さっきより凄く怒るジョージを、ミリカは目を反らして再び上手く誤魔化そうとする。



「すっとぼけんな、あ~なんか頭が痛くなってきた感じがする、お前のせいで、まあいいもう寝せてくれ・・・」


『バタッグーーグーー?』


「ありゃりゃーー? 本当に疲れていたのね、ちょっとからかいすぎたかぁーーおやすみ~~ジョージ」 


 ジョージが眠ると、ミリカは静かにそっと呟いた。

 それから数時間後、疲れを癒したゾンビ男は。



「はあ~~~よく寝たあ~~おはよっ! ミリカ」


 ぐっすりと眠っていたジョージは目を覚まして、横たえていた体を起こした。



「ジョージ、いつまで寝てんの? さあ、ぐずぐずしていないで行くわよっ!」


「ちょっと待てよ? まだ寝起き出し、フォールアウトの列車の下にに隠れて寝ているグール見たいに体が固くなってんだからよぉ」


 ミリカは、だらしなく腰を曲げているジョージより、先に進もうとするが。


 彼は気だるそうに腰を叩く。



「何わけわかんないこと言っているの? フォールアウトって何? それに体が固いのは死後硬直じゃないの? ほら目を覚ますのっ!」


「痛たっ!」


 バチぱちと、ミリカは頬を強く叩いて、ジョージの寝ぼけ眼を覚まそうとする。



「痛っ! あ~~もう目は覚めたよだからよせって?」


 ゾンビなので痛みは感じないが、痛いような感じがジョージの頬を刺激する。



「もう~~しっかりしてよね~~じゃあ行こっ!」


「おおっ! 取り合えずはまた奥に進むかあーー」


 ミリカが元気に行こうと誘うと、ジョージは半目の、しかも寝惚け眼で答えた。

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