その後、ジョージ達は、ブレットローチや人間達と戦った。
特にブレットローチは弾丸のように飛んで来る。
ブレットローチに当たれば、体に貫通して大穴が開いてしまう。
なので、ジョージとミリカ達は、ブレットローチが飛んで来ると魔法で撃ち落とした。
「五月蝿いゴキブリねっ!」
ブレットローチを二人は倒し、さらに進む。
そして、彼等の前には広い空間が広がっていた。
空間の真ん中と周辺には、前に見たような遺跡や大きな柱が。
それ等から、崩れたガレキや倒た柱がたくさんあった。
そして、そのガレキと遺跡には丸太で足場が組まれていた。
「なんだ、ありゃあーー?」
『ヒュッ』
そうジョージが思った瞬間。
ヒュッと言う風切り音と共に、ジョージの右側のこめかみを何かが通り抜けた。
「うわっ! なんだっ!」
「ジョージ、敵の攻撃だわっ!」
突然の事態に焦るジョージを他所に、ミリカは地面に刺さった矢を指差す。
「どこからだっ!」
『ヒュッ』
また、風を切り裂く音が何処からともなく、微かに聴こえる。
ジョージは敵を探して、目をキョロキョロと動かす。
「あそこかっ! ダークボール」
ジョージは敵に向かってダークボールを撃ち込む。
バキッと暗黒玉は敵には当たらず。
その下の丸太に当たり、足場はガラガラと崩れた。
「うわあーーああぁぁぁーー!?」
足場と共に一人の敵が悲鳴を上げながら落ちていく。
そして、その足場の残骸の下敷きになった敵が大声を上げる。
「いてぇえーー」
「ばかっ声を上げるなっ!」
もう一人の人間が言う。
そして足場の崩れた音と大声の悲鳴に呼び寄せられて、ゾンビの軍団が現れた。
大声に呼ばれたゾンビ軍団は、崩れた丸太の下になっていた弓兵の男に貪りついた。
「あああぁぁーー!?」
弓兵の男は断末魔の叫びを上げる。
そこに瓶が投げ込まれ。
聖水だったらヤバイなと思い、ジョージは警戒する。
すると、地面にぶつかって、ガシャンと割れた瓶はいきなり燃え出した。
「うわっ! 火炎瓶か、あいつ等にへたに近ずくと焼かれちまうな」
「ジョージ、あいつ?」
ジョージとミリカ達は足場の上に陣取る人間達を見た。
その中には、ギリスーツのような服を着た弓兵がいた。
「あん? なんだミリ・・・あいつっ! この間のっ!」
「あいつ、この間は取り逃がしたけど、今日こそは私達の御飯に・・・」
ジョージとミリカ達は、前に見た事のあるギリスーツ姿の弓兵を睨んで観察する。
「しような、ミリカ・・・」
その時、バリンッとジョージとミリカ達の側で瓶が割れた。
その周囲に火が広がってゆく。
「あちちっ! あちっ!」
「あつつぅ熱いっ!」
ジョージとミリカ達は周囲に燃え広がる炎を熱がり。
漫画の登場人物ように行ったり来たりして逃げ回る。
「あっつっ! ああっつい! あっあれ? ジョージ燃えてないよ」
「えっ! あっほんとだ・・・何で燃えてないんだ、焼かれたような傷みを感じたのに、アンデッドが火が苦手だからか?」
炎の放つ熱。
それを、体が燃え上がるかの如く、物凄い熱さのように感じたミリカとジョージ達。
「たぶん、そうじゃない? ゾンビもヴァンパイアも体に火がついちゃうと簡単に燃えちゃうし、だから火の近くにいたから、ちょっとの暑さで燃えるような傷みを感じたのかも?」
「じゃ、やっぱ聖水や火炎ビンは危険何だな」
ミリカの話す、自分達が感じた熱さの原因の考察に成るほどと納得するジョージ。
「そうねっ! それよりどうするジョージ向こうは派手に撃ちまくっているわよ」
ミリカの視線の方に、ジョージも視線を向ける。
すると、集まってきたゾンビ達に人間達が攻撃を加えていた。
足場の上から弓や弩を撃つ者。
火炎瓶、聖水瓶を投げ込む者。
魔法で、炎や氷を放つ者。
「おい、今度はあっちからだ」
「いくぞ、ダリア達を援護するぞ」
遺跡の上の足場。
大きな柱の周りの足場。
この二つをつなぐ、橋のように造られた足場を人間達は走って行く。
すると、ミリカは。
「燃えちゃえっ! フレイムボールッ」
足場の上を走っている人間達に向かって火炎魔法を放つ。
それは人間には当たらず、ボッと言う音と共に足場に当たる。
「はっ! はずしやがったぞ、アイツ」
「あいつ、人間じゃないのか?」
「あの女もアンデッドらしいぞ、気をつけろ」
「いいから撃ちかえせっ」
四人の人間達は、ミリカに向かって攻撃を始めた。
連中は、弓やクロスボウから、一斉に矢を射つ。
「ミリカ、隠れろっ! 人間達は多いし、お前の魔法じゃあ人間の足場は崩せない」
「ジョージ、大丈夫私に考えがあるの」
ジョージが心配しつつ、ミリカを庇うように前に出るが。
彼女には、何か考えがあるようだ。
「考えって、お前ほんとにあぶないぞ」
「いいから見てて・・・フレイムボール、フレイムボール、フレイムボールッッ」
ジョージは直も止めたが。
忠告を聞かないミリカは、足場の丸太を何発も火球を当てて炎上させる。
「くそっ! こっちはダメだ」
「ダリア達の場所までいけなくなったぞ」
「それより反対側へいけ燃えるぞ」
慌てふためく人間達。
その様子に、ミリカは反対側にも火炎魔法を放ち。
丸太を燃え上がらせる。
「フレイムボール、フレイムボール、フレイムボール・・・うふっ♥ これで逃げ場はなくなったわ」
「あぁくそっ!」
「これでは燃える」
「いや、崩れるぞおおお」
「おあぁあああ」
ミリカが笑うと。
燃える丸太がと共に、人間達はガラガラと音を立てて崩れ落ちていく。
「やったな、ミリカ」
「ねっ! 考えがあるって言ったでしょ、さあ次へ行くわよ」
ジョージは、丸太の下敷きになった人間達を見て喜ぶと。
ミリカも、笑いながら向かいの巨大な柱を指差す。
「おうっ! さて次はあそこだ」
「あっちにも居るわよ」
ジョージは、巨大な柱を目指そうとするが。
ミリカは、反対側の遺跡にも指を差す。
「近い所から攻め落とそう」
「そうね柱から落としましょうね」
そう言うと。
直ぐに、ジョージとミリカ達は、魔法を乱れ撃ちにしながら柱に向かって走り出す。
「ダークボール、ダークボール、ダークボール」
「フレイムボール、フレイムボール、フレイムボール」
暗黒魔法と火炎魔法を放ちながら、ジョージとミリカ達は突撃して行った。