ジョージ達は外へ出る。
空に日の光はなく、代わりに暗雲が立込める。
「やっとか・・・ここまで長かったな」
ジョージは暗闇に包まれた空を見上げながら呟く。
「ジョージ様、我々はどちらへ行くのですか?」
「どこ? つったってなあ~~・・・シャリル、何かおすすめはあるか?」
自分達の向かうべき方向が知りたいシャリルはそう言った。
何処に向かうか何も決めていないジョージは、逆にオススメを彼女に聞いた。
「ここから東の方角にキャンプ地がありますが・・・」
「そこへ行くのには丸一日かかりますよ? たどり着く前に何処かへ隠れなければ、明日の朝にはミリカ様は黒焦げに・・・そして他の三人は余りの眩しさに転げのたうち廻る破目に・・・」
シャリルが教えると、アレリオもそう言って沈黙する。
(・・・はあ~~本当に何か見つけないと大変な事になるな・・・)
「この近くに洞窟でもあればいいのですが」
ジョージは不味いなと考えていると、シャリルはそう愚痴る。
「丸一日ねぇ・・・ねっ他にキャンプ場や何かはないの?」
「うん~~と、後は魔物の住みかの山と呼ばれる危険地帯が近くに、そこなら洞窟が幾らでも」
他に候補はとミリカが言うと、アレリオは候補地を答えた。
「そこにしようかぁ、どうせ、皆は他には行く宛もないだろ」
「ジョージ本気なのっ! 名前からして、もう激ヤバッな魔物だらけのお家にカチコミかけようって事になるのよっ!!」
「ジョージ様、よろしいので? ミリカ様の言う通り、彼処には恐ろしい魔物がわんさかと居るとお聞きしますが」
ジョージのいい加減な言葉に対して、ミリカは危険だと文句を言う。
その意見には、シャリル賛同した。
「だったとしても、そこに行かなきゃ明日には大変な事に成っているだろ、ならそこへ行くしかないんだ」
「行って適当に麓の洞窟に隠れますか? 麓なら魔物も弱い奴等ばかりでしょうし・・・」
ジョージは、騒ぐ二人に真剣な顔で答えた。
アレリオは、そう言って彼の意見に賛同する。
「アレリオがそう言うのなら、私も・・・」
「シャル、有り難うっ!」
シャリルもそう言って、ジョージの提案した意見に賛同した。
そして、アレリオは賛同してくれた彼女に感謝した。
「ん~~仕方ないわねぇ? 皆がそう言うなら私も良いわよ、さっその魔物山まで行きましょうね」
他の三人の意見が一致したので、ミリカも渋々ジョージの意見に賛同した。
「でっ! その魔物山だか魔物の住みか、だかはどっちに在るの?」
「ミリカ様、あの山の向こうのさらに高い山の向こう、後ろの刺山の様な形の山脈が見えますよね? あれがそうです」
何処に件の山があるのかと言う、ミリカの質問に、シャリルが答えた。
「ではジョージ様、ミリカ様、魔物の住みかの山へと行くとしましょうか? ここに居ますと、また人間達が来るかもしれないので早くここから去りましょう」
アレリオは再び人間達が来る事を心配した。
「そうだなって事で、皆行くぞっ!」
「もう行くのね」
「了解しました」
「はい、行きましょう」
ジョージは行こうと皆に伝えると。
ミリカ、アレリオ、シャリル達もそれに答え、彼に着いて行った。