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第54話 宴会は続く

(・・・あーー頭がーー・・・意識・・・が・・・朦朧・・・として・・・きた・・・)


 ジョージの元は日本人。

 つまり酒に弱く、酔い安い体質なのだ。


 ジョージは毎度の事を考え思う。



(・・・尼神インターって何だっけ? 確か吉本の!? 吉本って? あっれ~~・・・)


「あーー頭が幸せにーーな~~てきーー」


 ジョージはかなり酔ってきた。

 体中に、ミリカから口移しで飲まされたワインのアルコールが回る。

 それで、彼の頭もだいぶバカになってきた。

 彼はふらふらに成りながら、アレリオとシャリル達の方を見てみる。

 そこでも、二人が酒盛りをしていた。



「さあっ! アレリオ私しが御酌して上げるからこれを飲み干しなさいっ!!」


 シャリルは強引にウォッカを、アレリオに勧める。



「これを? これはウォッカじゃないのかっ! こんなキツイものを飲み干せと」


 アレリオは、ウォッカは飲むのはキツイと断ろうとする。



「私しの御酌が・・・飲みたくないですってぇ~~~~!! そんなっなんで飲んでくれないのぉーー!? しくっ、しっく・・・」


 シャリルは、酔って怒りそうな形相になり。

 そのまま怒り狂うのかと、アレリオは思った。

 しかし、予想に反してシャリルは後ろを向き。

 泣き声を出して、しくしくと泣く。



「シャル、なっなにも泣く事はないじゃないかっ!」


 心配したアレリオが、シャリルに声を掛ける。

 すると、シャリルは泣き止み、振り向こうとする。


 アレリオは、シャリルが泣き止んだと思ったが、振り向いた彼女は・・・。



「アレリオッ! 私の注いだお酒が飲めないと言うなら・・・サンダァーーーー」


「のっ飲みますっ! 飲みます、飲みますっ!! シャル、飲むから落ち着いてっくれえーー!?」


 シャリルは右手を前に出し、雷撃魔法を詠唱しようとする。

 それを見たアレリオは、慌てて飲みますと、彼女に必死に懇願する。


 ジョージはその様子を眺めて、アレリオも大変だなと思う。

 その背後から、ミリカがそぉ~~と

近づく。



「どお~~こえぇ~~いくのーーかなあーー? 私のーー大~~切な、ゾンビ騎士様はあ~~♥」


 ミリカは体をくねらせながら、ジョージの背後を襲って抱きつく。



「げっ!? おい、ミリカっ! 俺はもう一杯も飲めないからなっ!!」


 ジョージはミリカにもう酒は飲めない、と拒否する。



「そおーーんなーーのーーわぁ? かぁーーんけーーい、有りましぇーーん」


 とミリカはジョージの言葉を無視して、無理矢理に彼の口へ・・・。

 ジンとワインのビン先を捩じ込む。

 それから、中身のアルコールをすべて流し込み、一気飲みさせる。



「ゴクッ! ゴク、ゴボォッ!! ゴボゴボゴブッ! けっ? かはっかはっ!?」


 ジョージは咳き込む。



(・・・これ以上飲まされると溺死・・・いや・・・急アル中毒で死亡するのかも・・・ゾンビだから既に死んでいるが・・・)


 と彼は、酒で喉をゴボゴボさせながら思う。



「ジョージ、えーー何々ぃーー? ふむふむっと? そぉーんなにぃ~~美味しかったぁ♥ じゃあねぇ? まあ~~た、一気に飲ませまあ~~すっ♥」


 ミリカは目を見開く。

 その瞳の中にハートマークを浮かべ。

 顔を、ほんのりと赤みがかったピンク色に染める。

 彼女は、ジョージを見つめながら、素早く掴みかかる。



「アハハッ♥️ そ~~れ、そぉ~~れ、飲め飲めぇーー♥️」


(・・・やめろ~~これ以上飲ませんな~あほ女ぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~・・・)


 ミリカの唇に塞がれて開く事の出来ない口の変わりに、ジョージは心の中で叫んだ。


 その後、彼等は・・・。

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