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第55話 悪霊達の宴・・・じゃなくて、あほ共の宴会


 その後は・・・・・・。


 ジョージは体を横に倒し、苦しそうに大量のアルコールとゲロを盛大に吐いた。



「かはっ! 肺にまでアルコールが・・・ゾンビでも、やっぱアルコールは飲まないほうがいいな・・・アレリオはどうなってるかな?」


 ジョージはチラリと、アレリオとシャリル達の居る方に目を向ける。

 すると、そこに居たのは物言わぬ骸と化したアレリオであった。



「アレリオォ~~何寝てるのっ? 持ぉ~~っと飲みなさいってのっ!」


 アレリオは答えないし、動かない。

 ジョージはそれを見て、ふと思う。



「あれじゃあ~~まるで・・・返事がない? ただの屍のようだ、じゃねえか・・・」


 ジョージは、ドラクエに登場する骨と名台詞を思い出す。

 そう思った瞬間、彼はアレリオと目が合う。



(・・・はっ! 向こうもこちらの事を腐った死体だとか思っているんだろうか・・・)


 ジョージはそう思う。

 そして、アレリオは彼にヘルプメッセージを送る。


 アレリオは助けてと手を伸ばすが。

 ジョージは無理だ、俺も動けないと手を交差して❌印を見せる。


 アレリオはそんなあと顔を下に向け、ガックリと肩を落とす。

 ジョージは、こっちもな同じ様なもんなんだよと思う。

 そして、直ぐに体を揺らし、また嘔吐する。



「うっ! うぼぼぼっ! おおっ!!」


(・・・気持ち悪いっ!? ゾンビなのに痛覚はなくても気持ち悪さを感じる感覚は有るのか・・・)


 そう考えながら、ジョージは嘔吐しまくる。



「うぼぼっ! あおうっ! ぼぼぼっ! ふっ! ふう~~?」


「ありゃりゃ~~男達とぉーー来たらぁ~~だらしないわねぇ~~~~」


 ミリカは、二人の様子に呆れながら言った。



(・・・しょうがないだろう? ゾンビは聖水だけじゃなくて酒にも弱いんだよ・・・)


 そう言おうにも、ジョージは頭がぐらつき、喉が気持ち悪くて言えない。



「そうですわねぇ~~ミリカ様ぁ~~~~? ジョージ様もアレリオも情けないったら、ありゃしないっ~~」


 シャリルも酔いしれながら言う。



「ふふっシャ~~リルちゃあ~~ん♥ あのさぁ? だらしない男達はほおーーって置いてぇ~~さ~~」


 ミリカは、シャリルに声を掛ける。



「私達二人でさっ! 楽しもーーうよぉ~~」


 ミリカは、顔を赤らめながら言った。



「はいっ! ミリカ様ぁ~~私で良ければ是非っ! 御相手を致します♥」


 シャリルも酔いしれ、視線を横にやり、恥ずかしそうにモジモジしながら言った。



(・・・これから何が? ・・・)


(・・・いったい何を? ・・・)


 ジョージとアレリオ達は、同時に思う。



「じゃあ、頂っきまあぁ~~すっ!? はむぅっ♥ チュッ! チュッ♥ むぅん~~~~ぷっはあ?」


「あっ! そんなミリカ様あぁぁぁっ♥ むぐっ! ううううっ♥ はあ~~♥」


 ミリカとシャリル達は、幸せそうに唇を瓶の口に付ける。

 そして、頭を後ろに振ると一気にラッパ飲みし始めた。


 ジョージは朦朧とする中それを見つめるが、彼の頭は動かない。

 ただ、その光景を見ても、ゲロを吐くだけだ。



「どうか・・・な? シャリルちゃん、酒の味は? えへへ・・・♥」


「最高ですわぁーー!! ミリカ様あ~~♥️」


 二人は顔を赤らめながら抱き合い、御互いを最愛の恋人の様に見つめ合う。



「シャリルちゃん、もっと飲む? するよねえっ♥」


「はいっ! もっと、もっと、もぉーー飲みたいですぅ♥」


 ミリカとシャリル達は、更に激しく酒を飲み合おうとする。



「あっ! そぉーだぁ? シャリルちゃあんっ! 少ぉーーし、待っててねぇ? これをこうしてっ! あれを・・・・・・」


「ミリカ様あーー? いったい何を?」


 ミリカの謎の行動に対して、シャリルは不思議に思いながら待った。

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