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10 別れと旅立ち


昨夜はすごかった、、、ただひたすらすごかった。

彼女たちの、、、うん、、、何とは言わない、、、

カイザーオーク、また出くわしたら狩って肉をストックしておこう。



転生して数日、初めての経験や出会いが多かった。いろんな人に出会った。

ルーナとリアは特別だな。境遇は違えど、なんというか、親近感がある。


守ってあげたい。もっと強くならなければ。二人を守るため!!

そのためにはこの世界をもっと知って、俺も二人も強く、不条理な世界に抗う力を身に着ける!!



「ルーナ、リア、起きて。朝だよ。」


「ご主人様~、ずっと一緒にいて。」


「リア、俺はどこにも行かないよ。そばにいるよ。」


「ひなりさん、私もいるんですけど。」


「わかってるよ。ルーナも大切だからな。みんな一緒だ。」

「二人ともそろそろ旅の続きをしたいと思ってる。明日には、ここを立つよ。」

「もっと世界を旅しよう。行きたい場所もあるし。今日は準備だ!買い出ししておこう。」


「わかったにゃ!ご主人様と旅!楽しみだにゃ~。」


「わかりました!それじゃ~起きましゅ~、、、」


「ルーナ!また寝るんじゃい!ほんと朝弱いなぁ。」


「ルーナ!起きるにゃ~!」



朝食を済ませて、俺たちは数日分の食料を買いに市場へ出かけた。

まぁ、『アトリエ』には冷蔵庫があるから食料が痛むことはないのだが、、、異世界なのに、冷蔵庫って。

つくづくあの『アトリエ』はチートアイテムだなと気づかされる。


「買い物も一通り済んだし、ギルドのオリビアさんのところへ顔を出しに行こう!」



俺たちはギルドに向かい、オリビアさんに明日プメールを立つことを話した。


「そうですか、、、少し寂しいですね。ルーナちゃんもリアちゃんも元気でね!またプメールに寄ったら顔出してちょーだいね!」


「もちろんです!」「オリビアも元気でにゃ~!」


「あっ!灯生さん!ちょっと、、、これを。」


オリビアから紫の腕輪を渡された。そしてまたもや耳元で、

「この腕輪はプレゼントです。魔力量を抑える魔法と、普通の人間の魔力量に見えるよう認識阻害の魔法も付与してあります。常につけておいてください。私のお手製ですよ!」


「あ、ありがとうございます、大切にします。」

「その、あなたは、何者なんですか??」


「それはまだ言えません。時が来たら、いずれ。」


なんなんだろう。オリビアさん。不思議な人だ。



ギルドを出て宿に戻り旅の支度をした。


「そういえばクレンさんたちに言ってなかった!」


1階に降りて、

「クレンさん、明日、ここを立ちます。お世話になりました!」


「あらまぁ、また急ねぇ。寂しいけど頑張りなよ!またプメールに寄ったら会いに来てね!」


「灯生さんたち、もう行っちゃうのか、また来てね!」


「クレンさんもドドリーも元気で!」


「あんた!灯生さん達、明日ここを立つそうよ!」


厨房の奥にいるゴードンさんが暖簾から顔を出し、ニコっとグー!

無口系の職人かっ!

あんなにちゃんと顔を見たのは初めてだった。



お世話になった人にはみんな挨拶したし、今日は3人でゆっくり過ごすことにした。



ー翌朝


「二人とも準備はいいかい?」


「はい!いつでも!」


「いつでも行けるにゃ~!」


「よし!それじゃ行こうか!」


「そういえばどこに向かうんですかー?」


「あー、言ってなかったね。鉱山都市のドミルコだよ。鉱石に興味があってね、他の都市にも行ってみたいし!そのあとはドワーフの宿場町に行くつもりだよ。」


「いいですね!ドワーフ、会ってみたいです!!」


「おいしいものあるかにゃ~。」


「食いしん坊だなぁ~。」


「リアはあれだけ食べてなんでそんなに小柄で細いのか不思議です!」


「何言ってるにゃ〜!!ルーナもそんな大きなもの持ってるのに羨ましいにゃ~!!」


「こらこら!ケンカしないの!」

「ここから北に見える、大きな山の連なりがあるだろ、それを目指して行こうと思う!」

「それじゃ、鉱山都市 ドミルコへ、出発!!」



俺たちはドミルコを目指して旅を再開した。


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