プメールを出発して数日、『アトリエ』に驚いていたリアもすっかり慣れ、鉱山都市のドミルコへ向けて少しずつ歩いていた。
3人で歩いていると、遠い先の方から何か近づいてくる。
「んー?ルーナ?あれなんだ?何か近づいて来ているような、、、」
「なんでしょう?モンスターでしょうか?リア、何かわかりますか?」
「んにゃ?んー、あれは、、、ガルゲゾだよー。」
「それはどういうものなんだい?ものすごい速さで近づいてきているんだが!!!」
「ガルゲゾはすごい大きいうえに足が早い動物にゃ。リアの住んでた里じゃぁ荷車とか引っ張ってたにゃ。」
「ふむ、なるほど。捕まえてみるか。」
「ひなりさん、無茶言わないでくださいー!もうすぐそこに来てますー!」
「捕まえるのかにゃ?それならリアに任せるにゃ!」
というとリアはガルゲゾに一蹴り加えてひっくり返らせた。
このガルゲゾはなんというか、、、亀だな、それも前世では見たことないくらいでかい。
それに亀なのに足がかなり速い。それに頭に一本角がある。
リアが一蹴りでひっくり返したのにも驚いた。
そんなに力強かったっけ??と思いながらも唖然としてしまった。
「リア、結構力あるんだね、、、偉いぞ~。」
「リア、偉いかにゃ〜!!それじゃ~、んー。」
と、頭を向けてきたのでむしゃむしゃ撫でてやった。とても喜んでた。
そして俺も内心、モフモフでニヤァとしていた。
「ひなりさーん、これ、どうするんですかー!」
「とりあえず珍しかったんで、、、どうしよう!」
「どうしよう!じゃないんですよー!もうー」
「それじゃ、テイムしたらどうかにゃ、移動が速くなるし荷車引っ張るのに便利にゃ!」
「あ、なるほど、その手があったか!リア、テイムできる?」
「無理にゃ。」
「えー、俺もできるか、、、いや、、待てよ。」
確か『禁忌録』の中にテイムみたいな魔法があったような、、、
隷属魔法、、、は奴隷にする感じかな、、、それじゃ、、、従懐魔法かな、、、
お、あった、テイム!!
これはテイムする対象に、俺の血一滴を飲ませる、、、か。よし!やってみよう!
「ちょっと試してみる!」
「ひなりさん!テイムできるんですか!!」
「わからないけどちょっとやってみるよ!」
俺は指をナイフで切り、血を一滴、ガルゲゾに飲ませ、「テイム」と唱えた。
すると左足が光り、花の刻印のようなものが現れた。どうやら成功したみたいだ。
「うん!成功だ!」
「えー!ひなりさん、テイムもできちゃうんですね、、、すごいです!」
「ご主人様は何でもできるにゃ~!」
「はいー、そこ、バチバチしなーい。」
「リア、ガルゲゾを元に戻してくれるかな、ひっくり返ったままじゃかわいそうだし。」
「わかったにゃ!!」
というと、普通にあの巨体を素手で持ち上げ戻した。
「リアぁ、、、そんな力があるとは知らなったぞ~。」
「獣人族はほとんど力持ちにゃ!」
「そ、そうなんだぁ。」
俺の面目がぁ、この巨体はさすがに持てない、、、ぐぬぬぬ、、、
「荷車がないし、乗って移動することできるかな。」
というと、リアがガルゲゾに近づき、
「うん、うんうん、わかったにゃ!」
「乗ってくだせぇ、親分!って言ってるにゃ。」
「えっ!リア、ガルゲゾと話せるの??」
「動物とは大体話せるにゃ。」
「初耳なんだが、、、」
これは、まだまだ知らないことが多そうだ、、、
というかこのガルゲゾ、なんでそんな江戸っ子みたいな口調なんだ?
「あと、名前を付けて欲しいって言ってるにゃ!」
「名前かぁ、、、うーん、そのしゃべり方で亀だし、、、カメ吉ってのはどうかな?」
リアが通訳してくれているらしい。
「気に入ったぜ、親分!!って言ってるにゃ。」
うん、絶対に江戸っ子だ。
「それじゃ、カメ吉に乗って、北を目指すとするか!」
「ゲラララララララァーーーーーーー!!!」
え、そんな鳴き声なのー!