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2章 ドラゴン山脈のほとりで

1 ガルゲゾ


プメールを出発して数日、『アトリエ』に驚いていたリアもすっかり慣れ、鉱山都市のドミルコへ向けて少しずつ歩いていた。


3人で歩いていると、遠い先の方から何か近づいてくる。


「んー?ルーナ?あれなんだ?何か近づいて来ているような、、、」


「なんでしょう?モンスターでしょうか?リア、何かわかりますか?」


「んにゃ?んー、あれは、、、ガルゲゾだよー。」


「それはどういうものなんだい?ものすごい速さで近づいてきているんだが!!!」


「ガルゲゾはすごい大きいうえに足が早い動物にゃ。リアの住んでた里じゃぁ荷車とか引っ張ってたにゃ。」


「ふむ、なるほど。捕まえてみるか。」


「ひなりさん、無茶言わないでくださいー!もうすぐそこに来てますー!」


「捕まえるのかにゃ?それならリアに任せるにゃ!」


というとリアはガルゲゾに一蹴り加えてひっくり返らせた。


このガルゲゾはなんというか、、、亀だな、それも前世では見たことないくらいでかい。

それに亀なのに足がかなり速い。それに頭に一本角がある。

リアが一蹴りでひっくり返したのにも驚いた。

そんなに力強かったっけ??と思いながらも唖然としてしまった。


「リア、結構力あるんだね、、、偉いぞ~。」


「リア、偉いかにゃ〜!!それじゃ~、んー。」


と、頭を向けてきたのでむしゃむしゃ撫でてやった。とても喜んでた。

そして俺も内心、モフモフでニヤァとしていた。


「ひなりさーん、これ、どうするんですかー!」


「とりあえず珍しかったんで、、、どうしよう!」


「どうしよう!じゃないんですよー!もうー」


「それじゃ、テイムしたらどうかにゃ、移動が速くなるし荷車引っ張るのに便利にゃ!」


「あ、なるほど、その手があったか!リア、テイムできる?」


「無理にゃ。」


「えー、俺もできるか、、、いや、、待てよ。」


確か『禁忌録』の中にテイムみたいな魔法があったような、、、

隷属魔法、、、は奴隷にする感じかな、、、それじゃ、、、従懐魔法かな、、、


お、あった、テイム!!

これはテイムする対象に、俺の血一滴を飲ませる、、、か。よし!やってみよう!


「ちょっと試してみる!」


「ひなりさん!テイムできるんですか!!」


「わからないけどちょっとやってみるよ!」


俺は指をナイフで切り、血を一滴、ガルゲゾに飲ませ、「テイム」と唱えた。

すると左足が光り、花の刻印のようなものが現れた。どうやら成功したみたいだ。


「うん!成功だ!」


「えー!ひなりさん、テイムもできちゃうんですね、、、すごいです!」


「ご主人様は何でもできるにゃ~!」


「はいー、そこ、バチバチしなーい。」


「リア、ガルゲゾを元に戻してくれるかな、ひっくり返ったままじゃかわいそうだし。」


「わかったにゃ!!」


というと、普通にあの巨体を素手で持ち上げ戻した。


「リアぁ、、、そんな力があるとは知らなったぞ~。」


「獣人族はほとんど力持ちにゃ!」


「そ、そうなんだぁ。」


俺の面目がぁ、この巨体はさすがに持てない、、、ぐぬぬぬ、、、


「荷車がないし、乗って移動することできるかな。」


というと、リアがガルゲゾに近づき、

「うん、うんうん、わかったにゃ!」


「乗ってくだせぇ、親分!って言ってるにゃ。」


「えっ!リア、ガルゲゾと話せるの??」


「動物とは大体話せるにゃ。」


「初耳なんだが、、、」


これは、まだまだ知らないことが多そうだ、、、


というかこのガルゲゾ、なんでそんな江戸っ子みたいな口調なんだ?


「あと、名前を付けて欲しいって言ってるにゃ!」


「名前かぁ、、、うーん、そのしゃべり方で亀だし、、、カメ吉ってのはどうかな?」


リアが通訳してくれているらしい。

「気に入ったぜ、親分!!って言ってるにゃ。」


うん、絶対に江戸っ子だ。


「それじゃ、カメ吉に乗って、北を目指すとするか!」


「ゲラララララララァーーーーーーー!!!」


え、そんな鳴き声なのー!


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