カメ吉に乗ってかなり移動が速くなった。
乗り心地は、そこまで悪くない。
巨大な山の連なりが目の前に広がっている。
山には雪が積もっているのか、白い岩肌ですごくきれいな光景だ。
そのきれいな山とは裏腹に、目の前には湿地帯が広がっていた。沼がそこら中にある。
カメ吉もさすがに止まった。
「ゲラララァー」
「沼地で通れないぜぇ、って言ってるにゃ。」
「仕方ない、ここからは歩いて行くとするか。」
確かテイムの項目に体を小さくする魔法も書いてあったような、、、あ、これだ!
「コンパクト!」
カメ吉は手のひらサイズになった。
「このサイズなら移動できるな!」
「カメ吉がちっちゃくなったにゃ~、かわいいにゃ~!」
「ひなりさん、小さくもできるんですね、、、」
「うん、、、まぁ、やってみたらできた!」
カメ吉を肩に乗せてっと。
「俺の後についてきて!足元注意しろよー。」
ベトベトしていないところを歩き、奥へと進んだ。
そしてたどり着いたのは、そこだけ沼地ではない、きれいな池があった。
俺たちはひとまずここで休憩することにした。
すると、池から、
「あ、あのー、こんにちはー。」
「わっ、びっくりしたにゃ!!」
「モンスターか!!」
「あわわわ!ちっ違います!いや、違いませんけど!!」
「これは、ラミアですね。」
「ルーナ、ラミアって?」
「ラミアは、上半身が人間で下半身が蛇のモンスターです!」
「ちょちょっと待ってくださいー!!襲ったりしません!!ほらほら~か弱いラミアですよー!」
「ひなりさん、なんだか怪しいです!!」
「何だがおいしそうにゃ、焼いて食べるにゃー!」
「そ、そんなぁ〜。話を聞いてほしいだけなのに~、殺さないで~!」
「まぁ二人とも、話ぐらい聞いてあげようじゃない。」
「ひなりさんがそう言うなら、、」
「ご主人様が言うなら仕方ないにゃぁ。」
内心、ラミアのその大きな果実をもう少し見てみたいと思ったからである。
と、いうのは二人に知られてはまずい。
聞くところによると、この池は鉱山都市 ドミルコのダンジョンに繋がっているらしく、そこから流れて来たらしい。
そして行くところがなく困っているらしいのだが、、、
「ご主人様、このラミア、やっぱり焼いて食べるにゃぁー!」
「なんでもしますから~食べないでください~!」
「まぁ待てリア。んー、そうだな。俺たちはドミルコに行きたいんだが、ここってどこら辺か分かるか?」
「案内してくれるなら嬉しいんだけど。」
「ここはカトラーゼ湿地帯でドミルコの南東らへんです。案内できますよー!」
「だから殺さないでぇー!!」
「ふん、そうかぁ、じゃぁ案内してもらおうかな、、と言ってもモンスターと一緒に歩いてるのを見られるのはまずい。一旦、テイムして陰に潜んでもらうのはどうかな?」
「それなら安心です〜!よろしくお願いします!!(殺されなくて良かったぁ)」
なんだか二人の視線が痛いが、、、しょうがない。
血を一滴、ラミアに飲ませ、「テイム」と唱えた。
カメ吉をテイムした時と同じ感じで、ラミアの左手の甲が光り、花の刻印が現れた。
「よし!成功だ!」
「名前はあるのか?」
「いえ、モンスターですからないですね。」
「それじゃぁ、セリーヌ、でどうだ?」
「セリーヌ!いい響きです!ありがとうございます!!」
「それじゃ一旦セリーヌは陰に潜んでくれ。頭の中に直接話しかけてくれたらいいから。」
「わかりました!」
「それじゃみんな、セリーヌの案内でドミルコに向かおう!」
セリーヌの誘導の下、カトラーゼ湿地帯もすぐ抜け出すことができ、ガルゲゾに乗りドミルコを目指した。