「兄ちゃん!起きなー!」
「んー?誰?」
「アーロだよ!鍛冶始めるよ!準備して!」
「もうそんな時間か。ちょっと待ってな。」
準備して1階に降りるともうアーロが窯の準備を終えていたところだった。
「遅いよ、兄ちゃん!」
「ごめんごめん!昨日久々に飲んだものだから。」
「そーなの?」
「普段はあの二人の面倒を見てるからあんまり飲めなかったんだよ。」
「あー、苦労してるね、、、」
「それじゃ、今日から僕の鍛冶の技術を叩きこむから気合入れてね!」
「ビシビシ言ってくれ!!」
それからアーロの特訓が始まり、鍛冶のやり方からコツまでほとんど1日で覚えた。
もちろん、スキル『即解』を常に発動していたからである。
「兄ちゃん、呑み込み早すぎだよ!もう教えることはないかな。」
「アーロの教え方がうまいからだよ。ありがとな!」
「顔赤いぞ?どうした?熱でもあるのか?」
「いや、平気だ、それより、鉱山に行こ。鉱石の種類も知っておいた方がいい。」
「うん、わかった!あ、でもその前に、、、」
俺はカメ吉に伝言を残した。これでみんな起きてもどこへ行ったかわかるだろう。
俺たちはドラゴン山脈のふもとにある鉱山に向かった。
「これはドミルコよりでっかい鉱山だな。」
「なんだ、兄ちゃん、ドミルコに行ったことあるんだ。」
「ここに来る前にね。鉱山にはギルドの依頼で行ったかな!」
「そうなんだ!それじゃなんとなくわかるとわかるけど、鉱山は鉱石以外にも鉱山ならではの動物や植物がいるし、もちろんモンスターもいる。気を付けて。」
「わかった!アーロは戦えるの?」
「うん、戦闘経験はあるよ、武器は短剣。兄ちゃんは?」
「魔法とこの剣かな。」
「この剣って、冒険者が初めて手にするものだよ。それにしても刃こぼれ一つしてない。どんな使い方してるのさ?」
「まぁいろいろあるんだよ。それより先に進もうか。」
「うん。わかった。」
俺とアーロは鉱山の奥へと進んだ。
「待て、ゴブリンが5体いる。」
「暗くてよく見えないけど、ほんと?」
「まぁ見てて、ファイア!」
壁沿いにファイアを並べた。するとゴブリンの姿が出てきた。
「ほんとだ!兄ちゃんすごいね、どうしてわかったの?」
「まぁそんなことはいい。倒すぞ!」
「わかった!!」
闇魔法を使ってみるか。
「ダークアロー!」
ゴブリンを1体倒し、
「アーロは左の2体を!俺は右を相手にする!」
「わかった!」
「ストーンウォール!」
「お゛ら゛ぁーーー!!」
よし、倒した。アーロも倒したみたいだ。
「兄ちゃん、かなり手馴れてるね。戦闘は兄ちゃんの方が上だな。」
「アーロこそいい動きだったぞ!」
ん?なぜ顔を赤くする?
途中の敵も倒しながら、俺たちはさらに奥へと進んだ。
「あ、鉱石見つけた!兄ちゃん、ツルハシはある?」
「もちろん、持ってきているぞ!」
アイテムボックスから取り出し見せた。
「どこから出したのさ??」
「まぁそういうものさ、気にするな。よし!掘るぞー!」
アーロに鉱石の種類を教えてもらい、鉱石を掘りまくった。
もちろん鉱石はアイテムボックスへ。
「アーロ、そろそろ帰るか!」
「うん、わかった!」
アーロの家に帰ると3人が待っていた。
「お帰りなさーい!」
「待ってたにゃ~お腹空いたにゃ~」
「セリーヌ、二人は大丈夫だったかい?」
「うーん、まぁ大丈夫でしたよ!」
これは大丈夫じゃなかったようだ。セリーヌには苦労をかける。
「よし!みんなで昨日の酒場に行こうか!」
「ルーナとリアはほどほどにしなさい!!」
「わかりました、、、」「わかったにゃ~」
昨日の酒場にみんなで行き、今日は昨日ほどひどくはならなかった。歩ける程度には。
そして帰宅後。
人の家にもかかわらず、少し声を抑えながらも、またそこもいいのだが、激しい運動をした。
よい汗をかいた夜だった。