次の日の朝。
俺たちはギルドの依頼で、マトシリカ北西の森へ足を運んだ。
「ゴブリンかオークの討伐って言ってましたけど、巣があるんでしょうかね?」
「どうだろう。少し調べる必要があるかもね。」
スキル『ディテクト』でもここら一帯にはモンスターの気配が感知できない。
「セリーヌ、モンスターの気配はするかい?」
「いや、モンスターはここら辺にはいないかと。」
「そうだよね。みんな少し探そうか。」
しばらく森の中を調べているとゴブリンに出くわした。
「ゴブリンです!1匹だけでしょうか?」
「1匹みたいだけど、何か変だ。」
「逃げていくにゃ!」
「追いかけよう!」
何かおかしい。ゴブリンが1匹で行動するはずがない。
あれはもしかして!
「灯生さん!囲まれました!!」
全部で16体ほどか。
「ルーナは右を!リアは左!アーロは後ろ!俺は前方を仕留める!」
「はい!」「はいにゃ!」「わかった!」
4人で一気に叩きこみ、制覇した。
「みんな大丈夫か?」
「はい!何ともありません!」
「リアも大丈夫にゃ!」
「僕も大丈夫!」
「このゴブリンの連携、他にもいるかも、もう少し散策してみよう。」
散策中、しばらく先のところに巣穴が見つかった。
「ゴブリンの巣ですね。」
「みんな気をつけろ。さっきみたいな行動ができるということは、指揮官がいるはずだ。」
「火魔法は絶対使うな。注意して進もう。」
「リア、大丈夫か?」
「う、うん、大丈夫にゃ!全部ぶっ殺してやるにゃ!」
「そうか。無理はするなよ!」
途中にもゴブリンはいたがそんな大した敵ではなかった。
先に進むと開けた場所に出た。
「ゴブリン、ホブゴブリンもいるな。ざっと50体はいる。ルーナ!氷魔法を!」
「分かりました!フローズン!!」
「みんな散会!!」
ある程度倒し終わりそうな頃、ゴブリンメイジが現れた。
火魔法を打つつもりだ!!
「やばい!魔法を打つ前に阻止しろ!!」
「ストーンブラスト!」
「アイスエッジ!」
なんとか仕留めた。
と思った矢先。
「ひなりさん!何かでてきます!!」
「なんだと!?」
「あれは・・・ゴブリンシャーマンです!!」
「何か召喚しようとしてるにゃ!」
「召喚させる前にみんな止めるぞ!」
「シャドウストーカー!」
「これで動きは止めました!今のうちです!」
「アーロ!2人で行くぞ!」
「わかった!」
俺とアーロで召喚陣を破壊し、ゴブリンシャーマンを倒した。
「や、やりましたね!!」
「みんなのおかげだよ!さっ、早く洞窟から離れよう!」
俺はゴブリンどもの死体をアイテムボックスへ収納し、洞窟から脱出した。
そしてギルドへ帰り、コルビアさんに報告した。
「まさかゴブリンの巣があるとは。しかもゴブリンシャーマンまで!」
「さすがです、灯生様ご一行。」
「換金いたしますので少々お待ちください。」
換金が終わり、俺たちはサルト酒場へ向かった。
みんな疲れているのか、腹いっぱい食べお酒も浴びるほど飲んだ。
宿に帰り、久々のディナーショーだ。
大きいのも小ぶりなのも、甘いスイーツだ。
疲れているとばかり思っていたが、そんなことはなかった。