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28 王都に向けて


ー朝食にて。


「さて、王都に向けて計画を立てよう。まずワープでマトシリカに転移してそこから王都に向かう。そこでハルビアさんに話しを聞いて王都の内情を探ろう。そこから二手に分かれて、王都に残る側とダンタリア帝国に向かう側に分かれる。これでどうだろうか?」


みんないいみたいだ。頼もしい仲間たちだ。


「ネルビアさん、マトシリカから王都まではどのくらいかかるでしょうか?」


「そうですね・・・マトシリカから北東に向けて王都の南門まで、普通の馬車で行くと3日ほどでしょうか。」


「それならカメ吉の速さなら1日と少しで着きそうだね。」


「そんなに速いのですね・・・。何から何までお願いしてしまってすみません。」


「いえいえ。これはしょうがないことですよ。お互い様です。」


「そういえば灯生様。オリビアから腕輪を渡されたでしょう?それで私たちミンチェスター家のものと念話出来ますから何かあればそれでお知らせください。」


「これにそんな能力が!わ、わかりましたー!」


それで行動も筒抜けだったのかな・・・。


ーマトシリカ。


俺たちはミンチェスター邸を後にして、ワープでマトシリカに着いた。

俺は念のためマトシリカのギルドにいるコルビアの下を尋ねた。


「灯生様!お久しぶりです!!サリヴァンはいかがでしたか?父は何か失礼なこととか!!」


「まぁまぁ落ち着いてください!まぁお父上にはいろいろ無茶ぶりをされましたけど・・・。まぁでもミンチェスター邸ではよくしてくれたので!」


「そ、そうですか~!あ、ロータスも久しぶり!灯生様と一緒に着いていくことは聞いていますよ!灯生様、ロータスをよろしくお願いします!!」


「はい!任せてください!そういえばロータス、君って武器とかないんだったけ?」


「あ、いえ、私にはこの愛剣がありますので。使い続けて100年ほどでしょうか。」


「それはもう国宝級だよ・・・。」


「あとでよく見えてくれる?」


「分かりました。」


ー王都に向けて


この後、王都の南門にある方向をコルビアに教えてもらい、カメ吉に引っ張ってもらって向かうことにした。


「ロータス、剣を見せてくれる?」


「はい、どうぞ・・・。」


「かなり使い込まれているね・・・アーロ、少し磨けるかな。」


「わかった!」


「あの剣はどういうものなんだい?」


「当時のミンチェスター家当主にいただいたものです。彼とはミンチェスター家にいながら冒険者だったので私も着いて行くこともありました。その時にいただいたものです!確かアダマンタイトとミスリルを合わせて作ったとか・・・。」


「ア、アダマンタイト!?それはすごいよロータス!アダマンタイトなんて打てる鍛冶士なんてほとんどいないよ!」


「そうなの?アーロ。」


「そうだよ!アダマンタイトは固すぎるから、達人級の鍛冶士じゃないと打てないって昔師匠が言ってた。」


「当主は、ガンドロフさん?という方にその剣を作ってもらったと聞いています。」


「アーロ、その人って・・・。」


「うん、それは師匠だよ!!そっかぁ、師匠が作った剣かぁ。」


「感慨深いね・・・師匠と弟子の共同作業だね。アーロ、よかったね!」


「うん!師匠が作ったものを使ってくれているなんて、なんていうか、ほんとに嬉しいよ!その武器を磨いてるなんて信じられない!」


「あ、そういえば!ロータス、よかったらその剣、魔剣にしてあげようか?」


「え!?いいんですか??」


「うん!もちろん!アーロもいいかな?師匠の剣を魔剣にしても・・・。」


「元々は師匠が作った剣だから。いいと思うよ!剣もそれを望んでいそうだし!はい、磨き終わったよ!」


「わかった!うん、最初見た時よりきれいになってる、流石アーロ。ロータス、それじゃ刻むよ。」


「はい!よろしくお願いします!!」


ロータスという花があったような・・・。朝霧草、白くて春に咲く。朝霧、いい名前だ。


◈刻印魔法 我その言葉を印す その名は『朝霧あさぎり


剣が光だし、『天景』の文字が刻まれた。


「これは、なんと読むんですか?」


「これは俺の祖国の言葉であさぎりと読むんだ。白くて春に咲く花の名だよ。」


「朝霧、いい名前です!ありがとうございます!!」


いいなーという風にルーナとリアがこっちを見てくる。


「また武器を作ったら、名前刻んであげるから!!それでいいだろー。」


「はい!!楽しみです~!!」「やったにゃ~!!」


「灯生様。そういえばテイムした時に出たこの首元の模様は花ですか?」


「あぁ、それも俺の祖国の花だね。それはなんだったかな。それも春に咲く青い花だったような・・・。忘れちゃった。」


「そうですか・・・。その花見てみたいものですね。」


「いつかはみんなで見に行こう。」


と言いつつ、祖国には戻れないのにと思っていた。

でも花を再現することは出来るかもしれない。いや、この世界にも似た花はあるかもとそう俺は期待を寄せた。


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