「いやぁ~、失敬失敬!あんなにお強いとは!!私これでも元肩書持ちだったんですがね!!」
「俺もすみません!力加減間違えてしまいまして・・・。」
「そうだ!ハルビア!この灯生君を肩書持ちにしてみては!7人目の肩書持ちだ!」
「そ、そんなまた、突然な!?それに肩書持ちにするには商会ギルド王宮直轄長の推薦と5大貴族の推薦、それに国王である37代国王 ゴルザスタイン・ランドベルク王の推薦も必要なのですよ!」
「そんなこと言わなくても知っておるわ!だがなぁ、このままこの才能を活かさないわけには・・・。」
「いやいや俺にはそんな才能ないので・・・これで失礼しまーす!」
「ま、待たれよ!国王に言えば大丈夫だろう。元肩書持ちの私が言うのだ!大丈夫だ!」
大丈夫だ!じゃねぇよー。こちとら平穏にしたいだけなのに・・・。
この調子じゃほんとに肩書持ちにされかけないな。
「ギルマス、ランクを上げる程度でどうでしょう。」
ナイス!ハルビアさん!!
「うーん、そうだな。他の貴族を納得させるのも苦労するしな。今のランクは?」
「Cランクです・・・たぶん、更新していないので。」
「それじゃAランクに昇格だ!!」
「えー。そんなまた急に・・・。ハルビアさーん!!」
「まぁそれくらいなら・・・。灯生様がよろしいのであれば・・・。」
まぁしょうがないか。ランクなんて特に気にしてないし・・・。
「わかりました。その代わりになんですが。」
「お!なんでも言え!!」
「王都、特に城内について教えてください。」
「それは・・・。よし!わかった!なんでも言え!!」
えー。即決かよ。大丈夫かこのギルマス・・・。
「じゃぁ早速ですが・・・最近城内で変わった情報はありませんか?」
これで勇者のことが聞けるかもしれない。争いの種は摘んでおいて損はない。
「みんなも見たと思うが、魔人国側とこの王国側で光の柱が立った。魔人国側では魔王が、王国側では勇者が召喚された。十中八九戦争になるだろう。」
「その勇者というのはそんな人物か分かりますか?」
「そこまでは分からんが勇者の面倒を6人の肩書持ちが見ているらしいとは聞いている。あとは5大貴族と王宮直属のドルゴア商会によるな。国王も頭の切れる人だ。それから大司教 ザラディオ・アルカルロ、王都や各都市に600人ほどの崇拝者がいるイヴアダ教会のトップにいるやつだ。こいつらは特に注意しろ。」
あー、忘れてた。そんな宗教もあるのか。あんまり関わりたくない。
「分かりました。いろいろとありがとうございます。」
「国王と謁見したいのなら俺がいつでも言ってやるぞ!!」
「あ、それは結構です、ほんとに。」
「そうかぁ?」
この後俺はギルド証をAランクに更新しギルドを後にした。
確かに王都には特に修道服を着た人が多いな。
「さて、みんなハルビアさんの家に戻ろうか!」
と思った矢先、いかにも6人の冒険者が俺たちの前に立ちふさがった。