「そんなに褒められても困りますよ!」
何、嬉しそうにしてるんだよ、褒めてないから!……ダメだ疲れる。
「ヴィーナス様、お願いの件に話戻しましょ!」
このままだと、ずっとこの調子で話が進まない。
「いい判断ですよ星くん。残り2つのお願いですが、時間はかかりますが異世界にはいけます!」
「えっ、本当ですか?」
異世界!なんでこんなにワクワクするんだろう。でも、ヴィーナス様の一言が頭に引っかかっていた。ん?
「ヴィーナス様、なんですぐにいけないんですか?」
「それは、星くん、の最後のお願いですよ!メイドさんに癒されたい、この願い叶えるのに時間がかかります」
「待ってください、ヴィーナス様、メイドって知っているんですか?」
え、なんでそんな、きょとん顔してるんだ?メイドってそんなに有名なの?
「知っていますよ、私、以上にメイドに詳しい女神はいません!時間はかかりますが完璧、最強美少女メイドを作ってみせますよ。」
なんか、メイドに対する熱量がすごい
「ヴィーナス様、メイド好きなんですか?」
「大好きです♡」
即答かよ!女神で1番ってどこから来るんだその自信。
…….でも、メイドさんが俺につくのは確定ってことでしょ?
何それ、最高じゃん。異世界をメイドさんと旅をする。何それ、すごい楽しそう。
「ヴィーナス様ありがとうございます!でも、神様なら一瞬で作れると思ってたんですけど違うんですね……」
「は?神だから作れますけど?大好きなキャラを作る際、パパッと作りますか?……作りませんよね!あなたもキャラメイク画面で可愛い美少女アバター作るために2日も時間かけていたじゃないですか?」
なんで、急に早口に!?……怖い、この女神。
それにキャラメイクしてるところを引き合いに出されたら俺、何も言えないじゃん、多分仕事休んでキャラメイクしてたのもバレてるし
ヴィーナス様がニヤニヤしながら、距離を詰めてくる。俺は思わず数歩後ずさるが——
「逃げちゃダメですよ?星くん」
ヴィーナス様の手が、後ずさる俺の腕を掴む。
ちょっと、近い、近いよ、このひとの距離感どうなっているんだよ!
動揺している俺に、追い討ちをかけて来る。
「しっかり見てましたよ、独り言を呟きながらニヤニヤしていたの、好きなキャラを作るのって楽しいですよね?ね、ルナちゃん♡」
ルナちゃん、そうそれは、俺の作ったキャラの名前だ、本当にあの姿を見られてた。
手を掴まれて距離が近くなったせいか、恥ずかしい所を見られたせいか……わからない。
手のひらが汗ばんで顔がかぁーっと熱くなる。
視線を逸らそうにも、覗きこまれて逸らすことすら許されない。
もうやめて……
「キャラメイクはとっても楽しいです。ヴィーナス様あまりこのことは誰にも言わないで頂きたいです」
「まあ、わかって頂けたみたいなので秘密にしておきましょう」
ヴィーナス様の手が離れようやく、適切な距離になり安心する。
もう嫌だ、この女神、色んな意味でドキドキさせるし、俺のこと見過ぎじゃない?神様でしょ?なんで俺のキャラメイク姿まで見てるんだよ……
「ほら、星くん、黄昏てないで、あなたと一緒に行くメイドの見た目と性格、服装はどうしますか?星くんの性癖をた〜っぷり詰め込んだメイドさんを作りましょ?」
「ちょっ、言い方!なんでそんな言い方するんですか!」
こうして、女神ヴィーナスと朱野星による2人の理想と業の詰まったメイドメイクが始まった。