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第3話 メイドを作る前に星くんには恥を味わってもらいます

 「そんなに褒められても困りますよ!」


 何、嬉しそうにしてるんだよ、褒めてないから!……ダメだ疲れる。


 「ヴィーナス様、お願いの件に話戻しましょ!」


 このままだと、ずっとこの調子で話が進まない。


 「いい判断ですよ星くん。残り2つのお願いですが、時間はかかりますが異世界にはいけます!」


 「えっ、本当ですか?」


 異世界!なんでこんなにワクワクするんだろう。でも、ヴィーナス様の一言が頭に引っかかっていた。ん?


 「ヴィーナス様、なんですぐにいけないんですか?」


 「それは、星くん、の最後のお願いですよ!メイドさんに癒されたい、この願い叶えるのに時間がかかります」


 「待ってください、ヴィーナス様、メイドって知っているんですか?」


 え、なんでそんな、きょとん顔してるんだ?メイドってそんなに有名なの?


 「知っていますよ、私、以上にメイドに詳しい女神はいません!時間はかかりますが完璧、最強美少女メイドを作ってみせますよ。」


 なんか、メイドに対する熱量がすごい


 「ヴィーナス様、メイド好きなんですか?」

 「大好きです♡」


 即答かよ!女神で1番ってどこから来るんだその自信。


 …….でも、メイドさんが俺につくのは確定ってことでしょ?

 何それ、最高じゃん。異世界をメイドさんと旅をする。何それ、すごい楽しそう。


 「ヴィーナス様ありがとうございます!でも、神様なら一瞬で作れると思ってたんですけど違うんですね……」


 「は?神だから作れますけど?大好きなキャラを作る際、パパッと作りますか?……作りませんよね!あなたもキャラメイク画面で可愛い美少女アバター作るために2日も時間かけていたじゃないですか?」


 なんで、急に早口に!?……怖い、この女神。

 それにキャラメイクしてるところを引き合いに出されたら俺、何も言えないじゃん、多分仕事休んでキャラメイクしてたのもバレてるし


 ヴィーナス様がニヤニヤしながら、距離を詰めてくる。俺は思わず数歩後ずさるが——


 「逃げちゃダメですよ?星くん」


 ヴィーナス様の手が、後ずさる俺の腕を掴む。


 ちょっと、近い、近いよ、このひとの距離感どうなっているんだよ!

 動揺している俺に、追い討ちをかけて来る。


 「しっかり見てましたよ、独り言を呟きながらニヤニヤしていたの、好きなキャラを作るのって楽しいですよね?ね、ルナちゃん♡」


 ルナちゃん、そうそれは、俺の作ったキャラの名前だ、本当にあの姿を見られてた。


 手を掴まれて距離が近くなったせいか、恥ずかしい所を見られたせいか……わからない。

 手のひらが汗ばんで顔がかぁーっと熱くなる。

視線を逸らそうにも、覗きこまれて逸らすことすら許されない。


 もうやめて……


 「キャラメイクはとっても楽しいです。ヴィーナス様あまりこのことは誰にも言わないで頂きたいです」


 「まあ、わかって頂けたみたいなので秘密にしておきましょう」


 ヴィーナス様の手が離れようやく、適切な距離になり安心する。


 もう嫌だ、この女神、色んな意味でドキドキさせるし、俺のこと見過ぎじゃない?神様でしょ?なんで俺のキャラメイク姿まで見てるんだよ……


 「ほら、星くん、黄昏てないで、あなたと一緒に行くメイドの見た目と性格、服装はどうしますか?星くんの性癖をた〜っぷり詰め込んだメイドさんを作りましょ?」


 「ちょっ、言い方!なんでそんな言い方するんですか!」


 こうして、女神ヴィーナスと朱野星による2人の理想と業の詰まったメイドメイクが始まった。



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