森の陰から覗いていた謎の影が、ゆっくりと冒険者たちの前に姿を現した。
闇色のローブをまとい、その中でぼぅっと赤い炎が揺らめく。
まるでローブの内部が火で満たされているような不気味な存在に、冒険者たちは息を呑む。
「にゃ、にゃんだあれは……?」
にゃん民: なんだこの不気味なヤツ
にゃん民: 闇に溶ける感じ、いかにもボスキャラ
にゃん民: 来たぞ…魔王四天王的なやつか?
ルナが身構える中、その存在は低く笑い声を立てた。
「私、魔王四天王の一人、エンジョルノと申します。」
その名を口にすると同時に、ボッと火が燃え盛り、ローブの裾から赤い光がはね上がる。
にゃん民: ガチで四天王じゃねえかwwww
にゃん民: 知っていたのか⚪︎電!
にゃん民: やつは四天王の中でも... どうなんだ?
「この程度の街、スタンピードで更地にできると思ったのですが……
まったく、妙な冒険者(あなた)のせいで、私自ら出張る羽目になりましたよ。」
「魔王四天王だと!? まさか魔族が糸を引いていたのか!」
リーダー冒険者が怒声を上げる。
にゃん民: スタンピードの黒幕かよ
にゃん民: ルナちゃん危ない!
「とりあえず、雑魚どもは消し炭になりなさい。」
エンジョルノが右手をかざすと、そこから赤い火柱が吹き出し、炎の竜巻が冒険者たちを襲った。
「無我着火ファイヤー!」
凄まじい熱と光が広がり、ルナ以外の冒険者たちが悲鳴を上げる。
炎が巻き込む中、控えていた魔法使いが必死に「ウォーターボール!」と叫んで防御魔法を展開。
水の球が炎を弱め、冒険者たちは焼死こそ免れたものの、重度の火傷と衝撃で全員が戦闘不能に陥った。
「くっ……ダメだ……もう動けん……」
荒くれ者たちも地面に伏し、息も絶え絶え。
先ほど助けたハゲ頭の冒険者が、ルナに苦しそうに視線を向ける。
「すまねぇな、姉ちゃん……
俺たちじゃ歯が立たねぇ……もうあんたしか頼れる奴がいねえ……
あいつを、倒してくれ……!」
血走った眼差しに、わずかな懇願の色が混じる。
にゃん民: ヤバい、皆倒れた!?
にゃん民: ボスキャラやばすぎる
にゃん民: ルナちゃん、もうルナちゃんしかいない!
ルナは息を詰まらせる。
魔王四天王と名乗る魔族が現れ、仲間となりつつあった冒険者たちを一瞬で無力化した。
コメント欄も騒然とする中、彼女は決意を固めるしかなかった。
「みにゃさん……皆さん……私、やるしかないですにゃ!」