炎の残滓が揺らめく中、ルナはそびえ立つ魔王四天王・エンジョルノを睨みつける。
周囲には倒れ伏した冒険者たちが苦しげに呻き、空気は焦げ臭い。
「どうしてこんな酷いことをするんですかにゃ!」
ルナの声は怒りで少し震えていた。
さっきまで仲間として戦っていた冒険者が、一瞬で戦闘不能に追い込まれた。
親切なシアとその家族、みんなが住む街を攻撃する理由が理解できない。
にゃん民: ルナちゃんキレ気味だ
にゃん民: 当然だよ、こんな理不尽な暴力
にゃん民: がんばれルナ!
エンジョルノは軽く首を傾げ、ローブの奥で揺れる炎がちらつく。
「なぜ、ねぇ……?
人間たちが女神インフルエンシディアの加護によって力を得るように、我々魔族は邪神ヴィシャストロールの力で強くなるんですよ。」
ククク...と嗤うエンジョルノは続ける
「貴様ら人間は、人々の愛や信仰で強くなる。
私たち魔族は、恐怖や破壊により力を得る……
だから人間どもを攻撃して、混沌を生み出す。
それが我々魔族の生き方だ。」
エンジョルノは嘲笑を浮かべるような声で続ける。
「この街をスタンピードで更地にすれば、人間どもから混沌が生まれ、我々はさらに強くなるのです。
簡単な理屈でしょう?」
にゃん民: ふざけんな!
にゃん民: 混沌って……理不尽すぎる
にゃん民: 人間と魔族はそういう対立関係なのか
「つまり、あなたたち魔族は自分たちが力を得るためだけに人間を……?
こんな邪悪な目的、許せないですにゃ!」
ルナは拳を固める。
この街はシアやおばさん、そして視聴者(にゃん民)と共有した場所だ。
みんなが応援してくれるからこそ、彼女はここで頑張れているのに、それを踏みにじる者を許しておくわけにはいかない。
「この街を襲い、親切にしてくれた人たちや応援してくれるみにゃさんを傷つけるなんて、絶対に許しませんにゃ!」
凛とした瞳で、ルナはエンジョルノに向き合う。
にゃん民たちもコメント欄で「行け!」「やっちまえ!」と熱く声援を送る。
混沌を求める魔族、破壊を喜ぶ邪神、その歪んだ価値観はルナが培ってきた愛や応援とは正反対だ。
この戦いは、異世界での正義と邪悪のせめぎ合いを如実に物語っていた。
「みにゃさん、私、全力で戦いますにゃ!」