エンジョルノは、先ほどまで余裕たっぷりだった表情を少し曇らせた。
ルナの目つきと態度が明らかに変わっている。
「なにやら、急に強気になりましたね。
だが、私に通じるとでも?」
「みにゃさんのおかげで、あなたの倒す手段を手に入れましたにゃ!
自分のためだけに人様に迷惑をかける厄介さんは、BANさせてもらいますにゃ!」
ルナは宣言し、コメント欄も盛り上がる。
にゃん民: 春のBAN祭りキタ!
にゃん民: 100万の力、見せてやれ!
にゃん民: ルナちゃん、負けるな!
「なにをする気だ!」
エンジョルノは焦りを隠せず、ローブの裾が揺れ、内部の炎が渦巻いていく。
彼は両手で炎を凝縮し、それを剣の形に成型してルナに切りかかった。
唸る炎の剣が、ルナの首元に達しようかという瞬間――
「BAN!!」
ルナは力強く叫ぶ。
瞬間、エンジョルノの炎が不自然に揺らめき、剣の刃先がしゅるしゅると短くなっていく。
体を包んでいた炎のオーラも弱まり、赤い光が薄れる。
「な、なにぃ……!?
炎が……私の炎が封じられた!?
バカな、こんなことが……!」
動揺するエンジョルノに、ルナは容赦なく懐に飛び込む。
「これでおしまいですにゃ!」
にゃんこ百烈掌を繰り出すと、無数の打撃が闇色のローブを震わせ、コアを砕くような衝撃が魔王四天王を蝕む。
エンジョルノは「ば、馬鹿な……!」と呻き声を上げ、次第に炎が消え、ローブだけを残して、その姿が溶けるように消滅した。
にゃん民: うおおおおお!!!
にゃん民: BAN勝利!BAN勝利!
にゃん民: 100万の価値あったなw
「ありがとうございました、みにゃさん。
みんなが力を貸してくれたから、私、勝てましたにゃ……!」