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4-6 勝利の後

 バタバタと足音が響く中、傷だらけの冒険者たちが簡易担架で運ばれ、町の人々が戸惑いながらも外へ出始める。

 そんな中、ルナに声をかけてきた男は、深い傷を負いながらも毅然としていた。


「俺はガルド。実はただの冒険者じゃない。

 この街の冒険者ギルド支部長だ。」


「え、支部長さんでしたかにゃ!」


 ルナは驚いて目を丸くする。

 彼が必死に指揮していたのは、冒険者たちをまとめるためだけでなく、支部長としての責務だったのだ。


「あなたのおかげで、スタンピードも魔王四天王の脅威も退けられた。

 街が救われたんだ。本当に感謝している。」


 ガルドは頭を下げる。

 ルナは慌てて両手を振り、笑顔を浮かべる。


「いえいえ、みにゃさんが応援してくれたから強くなれたんですにゃ!」


にゃん民: カッコいいよルナ!

にゃん民: 支部長も礼儀正しいな

にゃん民: 異世界RPGらしさ全開


「町長がお待ちだ。是非、あんたを会わせたい。

 ついてきてくれないか?」


「は、はいですにゃ……!」


 ルナは少し緊張しながらガルドについていく。


 戦闘が終わったことで、街の正門周辺から重苦しい空気が消えていく。

 石畳の道の先で、街の人々が少しずつ戸を開け、顔を出し始める。


 倒れた冒険者たちは簡易的な治療を受けた後、癒しの魔法を使える教会へと運ばれていく。

 「がんばれ」「ありがとう」など、町人たちの声が彼らに向けられ、温かな空気が広がる。


「みにゃさん、私、この街を守れたんですねにゃ……!」


にゃん民: よくやったルナちゃん!

にゃん民: 俺、ルナが誇らしいよ.....

にゃん民: おルナ誇!おルナ誇!


 ルナが感激に浸っていると、ガルドが手で合図を送り、少し背の低いおじいさんが駆け寄ってきた。

 白いひげをたくわえ、目尻にしわを刻んだ穏やかな顔立ち。


「お前さんがこの街を救ってくれた冒険者か!

 わしが町長だ。感謝してもしきれんよ!」


「と、町長さん……!」


 ルナはぺこりと頭を下げる。


「おかげで、わしらは無事だ。

 これは勝利の宴を開かなきゃな!

 みんな、今日はお祝いだ!存分に飲んで食べて喜ぼう!」


 町長の明るい声が響き渡り、周囲から歓声が上がる。

 にゃん民たちもコメント欄で「宴きた!」「飯テロ再び」「お酒もある?」と盛り上がる。


 ルナは笑顔で応える。

 この街で、こんなにも多くの人々が感謝し、喜んでいる。

 みんなの応援と異世界での努力が結実した瞬間だった。




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