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5-2 ユニコーーーーーーーン!

 バズリディアを後にし、ルナは広い草原へ足を踏み出す。

 遠くには山々が霞み、空には白い雲がふわりと浮かんでいる。

 しかし、行き先であるエルフの里がどこにあるのか、地図もなければ道しるべも見当たらない。


「エルフの里って、どこにあるんですかにゃ……?」


 ルナが立ち止まると、コメント欄がわらわらと意見を述べ始める。


にゃん民: 道わかってるの?

にゃん民: 遠そうだよなぁエルフの里って

にゃん民: さすがに徒歩はきついんじゃ?


「ふふーん、みにゃさん、ご心配には及びませんにゃ!」


 ルナは自慢げに胸を張る。

 彼女は新たなスキルがあることに気づいていた。


「実は、私、新たなVスキルを授かったんですにゃ!」


にゃん民: 新スキルキター!

にゃん民: 今度は何だ?

にゃん民: またBANみたいなやつか?


「いいえ、今回はもっと移動が楽になる系ですにゃ!

 いきますにゃ、ユニコーーーーーーーン!!」


 ルナが叫ぶと、空気が震え、眩い光が輪を描く。

 光の中から現れたのは、真っ白な馬体に輝く一本角を持ったユニコーンだった。


「うわぁ……ユニコーンさん、初めましてですにゃ!」


 驚きでコメント欄も騒然となる。


にゃん民: ユ、ユニコーンだと!?

にゃん民: マジかよ、ユニコーン召喚!

にゃん民: ガチ恋勢絶対安心宣言!?

にゃん民: これがVTuber界で守護される秘宝……!


「え、えっと、にゃん民さん、何を言ってるんですかにゃ?

 私、よくわからないんですが……」


 ルナは不思議そうな顔をするが、コメント欄はのざわつきは収まらない。

 ユニコーンは鼻先でルナに顔を擦り付け、鳴き声を上げる。


「ユニコーンさんはエルフの里がどこにあるかご存知ですかにゃ?」


「ヒヒん!」


ユニコーンは肯定するように嘶いた。


ルナはスキル欄の説明で、ユニコーンは全ての道を知ると書いてあったのを読んだのだが、一応確かめてみたのだ。


「うふふ、いい子ですにゃ、ユニコーンさん!

 これでエルフの里までひとっ走りですにゃ!」


 ルナはユニコーンの背に乗り、嬉しそうに手綱を握る。

 ユニコーンは軽く嘶くと、地面を蹴って柔らかな芝生を駆け出した。


「みにゃさん、一緒にエルフの里へ行きましょうにゃ!

 新たな冒険、始まりますにゃ!」


 にゃん民たちも「行けー!」「旅の再開!」「ユニコーンかわいい」と沸き立つ中、ルナは風を切って進んでいく。


 こうして、新たなスキルを得たルナは、ユニコーンに乗ってエルフの里を目指し、異世界の旅路を再び進み始めたのだった。




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