目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

10-5 吸収

 マリシャスヘイターのデス・ストリングスがルナを襲う。


にゃん民: やばい!刺されるぞ!

にゃん民: もう終わりやね...


弱体化著しいルナは避けきれず、その一条が胸に突き立ちそうになる。


「うっ……!」


 刹那、シャムが横から身を投げ出してルナを突き飛ばし、代わりに刃のような糸を受け止める形になった。


「し、シャムさんっ!? どうして……」


「うるさいわね……あんたが死んだら、見てるファンが……つまんないでしょ……」


 強がりを言いながらも、シャムは痛みに耐え、うめき声をあげる。


「ふうむ、別の猫が引っかかりましたか。順番は前後しますが、まあいいでしょう」


マリシャスヘイターは余裕の態度を崩さずに続ける。


「結局、あなたを捕まえるのは簡単ですしね。さあ、ストリングスを通じて、邪悪なエナジーと配信者としての知識……どんどん吸わせていただきますよ。」


 糸がシャムの体に絡みつき、彼女の力を吸収し始める。

 シャムのゴスロリ猫耳姿が徐々に溶けていき、中の人の姿をさらけ出す形となった。


「やめて! シャムさんが……!」


 ルナが叫ぶが、マリシャスヘイターは意にも介さない。


「ふふふ、やはり思った通り、鬱猫シャムの心は闇に染まってますねえ。

 エネルギーも知識も上質です……が、いらなくなったら捨てるのが私流。」


 そしてマリシャスヘイターはシャムを突き飛ばすように放り投げる。

 同接低迷で力を失った彼女の中身は、闇メイクも剥がれ、ボサボサの髪の“おばさん”がそこにあった。


「シャムさん……!」


 ショックを受けるルナ。マリシャスヘイターは糸をクイッと弾きながら鼻で笑う。


「さて、次はあなたの番ですよ、猫神ルナさん。

 手こずらせてくれた責任……取ってもらいましょう。」




この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?