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シャムのエナジーがごっそり奪われると同時に、闇メイクが溶け、ありのままの中の人が露わになる。
コメント欄が一気にざわめき、容赦ない言葉が飛び交った。
にゃん民: 自撮りと全然違うじゃん!
にゃん民: おばさんじゃん…
にゃん民: こみゅ抜けるわ…
「そんなこと言ってる場合か!? 彼女、死んじゃいそうだぞ!
ルナ、なんとかして!」
心配する声と嘲る声が入り混じり、ルナが焦りの面持ちでシャムに近寄る。
一方、シャムは呆然としながら小さな吐息をこぼした。
「ふふ、散々いろんなVTuberの素顔を晒してきた私が、結局自分の素顔を晒して死にそうになるなんて……ざまあないわね。
“自撮りと違う”って? 当たり前でしょ、女はVのガワを剥いだって、その下にも加工やメイクっていう別のガワがあるのよ。」
シャムは苦笑しつつ、床に崩れ込むように座り込む。
「私も、もう終わりね。ルナ、あんたは……間違えないでよね。
はあ……愛され……たかった……だけなのに……」
声が弱々しく途切れそうになるシャムに対し、シャ民党員がコメントで必死に呼びかける。
シャ民党員: シャム!死なないで!
シャ民党員: お願い、私たちがいる!見捨てないでよ!
ルナはシャムを抱き起こし、瞳を真っ直ぐに見つめた。
「シャムさん、あなたはもう、ちゃんと愛されてますにゃ。
だから、そのことに気づいてもらうまでは、死んでもらうわけにはいかないですにゃ!」
その言葉に、シャムの瞳が微かに潤む。
何かを言おうと唇が震えるが、声にならない。
シャムはそのまま目を閉じ、体から力が抜けるように意識を失っていった。