秋になり競馬界はGⅠシーズンとなる。
その盛り上がりは生産界でも同じである。好成績を挙げた馬の血統は評価が上がり、来年のセリなどでその系列の仔馬の評価を左右させる。
…うちの牧場じゃああまり関係ないが。だってほとんど地方だからね。
俺は馬主の資格をとり、2頭の競走馬を所持する事となった。
1頭はコナン。
もう1頭はセリで売れ残ったオオツカムスメの牝馬。宝田命名で《ココロ》と呼んでいた。父馬はメイセイオペラ。母父はイナリワン。期待は出来ないが、俺にとっては初めての持ち馬だ。愛着はもっている。
2頭共デビューは再来年。待ち遠しい。
菊花賞を金村氏のナイトメアが制してダービーと合わせて二冠馬となった。
来週の天皇賞(秋)の大本命はドラゴンアロー。
龍田のバカの馬だ。
しかし…いい馬だ。
母馬ドラゴンベリーは無敗のGⅠ5勝馬。
母の父にサンデーサイレンス。
そして父馬にはブライアンズタイム。
現在の日本競馬のすべてが詰め込まれたその馬体。
昨年、滝豊とのコンビで遅い新馬戦と条件戦を連勝。挑んだ青葉賞(GⅡ 東京競馬場 芝2400m ダービートライアル競走)もぶっちぎりで優勝。続くダービーでも見事勝利し栄冠を手にした。
夏は休養し秋初戦のセントライト記念(GⅡ 中山競馬場 芝2200m 菊花賞トライアル競走)を勝利。
しかし菊花賞は安東勝己が操るグレイエスケープにまんまと逃げ切られて惜しくも二着。
有馬記念も長部幸雄とキンググロリアに劇的なラストランを遂げられまたもや二着。
だが今年に入って更に本格化したどらドラゴンアローは、阪神大賞典を勝ち、天皇賞春ではグレイエスケープに雪辱をはらす圧勝。
宝塚記念でもその勢いは止まらず二着以下を6馬身ちぎる勝利。
名アナウンサー杉山氏に
『王者の風格に揺るぎなし!』
と言わしめた。
秋の天皇賞特集なる番組に出演した龍田のバカは
「秋古馬三冠宣言」
のパフォーマンスしてみせた。
しかし本当にやりかねない馬だ…。