◆ あらすじ ◆
剣道全国中学生大会での決勝戦を目前に控えた、その時。伊月晃はその絶対王者とも言われる眞城と邂逅することになる。
大変な美少年である彼の言葉は色々と意味深であり、伊月の心をつかんで離さない。眞城の言う『前世』とは、一体なんなのか。
そんな折、魔物の出現を告げるアナウンスに、会場は騒然となる。……が、そんな中眞城はその雨の中を傘もささずに駆けてゆく。
眞城の言う『前世』、『魔物』の出現、そして……現行の『元服と佩刀』の制度。これらを全て知っているかのような眞城に興味が尽きない伊月は、駆けて行った眞城を追いかけるかのように会場を後にする。
だが大雨で視界の悪い中眞城を見失った伊月は、彼を追いかけてきた兄と共に魔物と対峙することとなる。だがなかなか止めを刺せずに弱点を見出そうとしていると、神官姿の少年……
そこで魚のような魔物と対峙するのは、晃の兄。元服により佩刀を許された彼は、その刀を以て魔物を退治することになんとか成功するが、そこに至るまでの諸々の行動は彼の前世の記憶とも関連があったようである。
兄の前世の記憶は、平家最後の棟梁で、壇ノ浦の戦で敗れた『
眞城、秋宮と呼ばれる少年たち、は一体何者だったのでしょう。
お話は【現在・承】に続いていきます。
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◆ 登場人物 ◆
・
備後国南中学校に通う二年生。十四歳。
特徴のない短髪。兄に『小学生』と揶揄られるほどのチビ。
剣道全国中学生大会で決勝戦に進出するほどの実力を持つが、魔物との実践は初めてであり、武器を持たない中、知略を巡らせた手腕を発揮する。今のところあまり外見的特徴は記されていない。
・伊月(兄)
地元の高校に通う十八歳。黒い短髪に少々太めの黒い眉と、切れ長の目が精悍な印象を与える。
『ある条件』を見たして元服し、天皇家より刀を賜っている。
平氏最後の棟梁『
・
白い衣に赤い袴を召した、中学生くらいにも見える不思議な少年。
後ろで長く結った黒髪に、前髪はパツンと切りそろえられており、サイドは耳の中程の高さでやや斜めに整えられている。赤い八重菊結びに房のついた耳飾りをつけており、切れ長ではっきりとした双眸の目尻上側に朱の化粧のようなものが施されている。
一言で言えば今風の日本人形のような慎ましくも美麗な雰囲気。
『【凪】』などといった不思議な力を使う(ように見えるが、詳細は不明)
・
色白で小柄。大変整った顔をしており、かわいらしい雰囲気を醸し出しながらも、冷たく艶美な一面もある。そしてやることは割とぶっ飛んでいるらしい。少年。
中学生剣道界の絶対的王者。
兄が対峙した魚のような魔物を、一人で多数討伐したらしい。
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◆ 参考文献 ◆ ※著者敬称略
・平家物語(原文・日本語訳:尾崎 士郎 / 市古 貞次)
・吾妻鏡(原文)
・合戦地図で読む源平争乱 / 関 幸彦(監修)
・平氏が語る源平争乱 / 永井 晋
・図解06 使える日本史 / 後藤 武士
・武者の世に / 入間田 宣夫
・日本の歴史16 平清盛 / 加来 耕三・水谷 俊樹・中島 健志
・日本の歴史29 源頼朝 / 加来 耕三・水谷 俊樹・中島 健志
・日本の歴史17 源義経 / 加来 耕三・水谷 俊樹・瀧 玲子