皆様、ごきげんよう。
♪(作者名)です。
令和最新版のクソゲー、『ちいかわ◯ケット』を取り上げようかと思いましたが、さすがに怒られそうなので見送ることにします。
ちなみに一ヶ月間ほど遊んで、レベル57000を超えました。レベルが万を超えたのはゲーマー人生初めてです。
ということで、今回、皆様に紹介するのはファミコン時代の名作『たけしの挑戦状』です。
そう、あのビートたけしさんが企画したゲームですが、断言します。クソゲーです。
ファミコンのクソゲーを語るとき、『スペランカー』、『燃えろ!プロ野球』と共に、間違いなく登場する名前です。
もはや王道とも言えるほどのクソゲー界のエースです。
なんと、80万本売れた大ヒット作品です。騙された人がこんなにたくさん……。
当時大人気だったビートたけしさんが、かなり力を入れて企画に関わったということで、興味を持った人が多かったようです。
身近なところでは、お笑い好きの妹がこれを購入し、私に泣きついてきました。
なお、発売日前日には、あの『フライデー襲撃事件』が起きています。
最悪のタイミングで発売されてしまったのも、伝説のクソゲーと言われる所以かもしれません。
ストーリーは非常に単純で、しがないサラリーマンが一攫千金のため、宝探しに行くというものです。
でも、宝の地図どころか宝島の場所さえ知らないという、無計画の極みです。
しかも、プレイヤーには妻子があり、会社員として日々働いているのです。そんな夢を見ている暇なんて本来は無いのです。
ということで、プレイヤーが最初にすることは、妻と離婚し、会社を退職することになります。
これをやらないと、ゴール直前で妻もしくは社長が現れ、強制的にスタート地点に戻されます。夢を追うなら、全てを捨てなければならないという、たけしの美学を感じます。
町も危険がいっぱいです。まさに北野映画です。
ヤクザや警察が近づくだけで殴ってきます。自宅に帰れば子どもまで殴ってきます。
そんな荒廃した世界でカラオケを歌えば(ファミコンにはマイクが付いている)、ヤクザが絡んでくるので全力で返り討ちにすると、老人が謎の紙をくれます。
この紙を日光に1時間さらすか、水に5分さらした後でマイクに叫ぶと、なんと宝の地図が入手できます。待ち時間中、うっかりコントローラーに触ってしまうと地図は破れてしまいます。いや、こんなの分かるわけないでしょ!
なお、町のどこかで宝の地図を売っているのですが、これはニセモノなのです。私はずっとこの地図で宝を探していました……。
と、こんな感じで全てノーヒントなので、当然クリアできるはずもなく、頼みの綱の攻略本(簡単なヒントのみ)も全く役に立たなかったのです。
現在であればネットで攻略情報を得ることができますが、昭和の時代は紙媒体のみが情報源だったのです。
発売からずいぶんと経った頃でも、『たけしの挑戦状』難民は日本中に溢れていました。
そこで、急遽、完全攻略本が発売されることになりました。これはヒントではなく、完全にネタバレ本といえるもので、この通りにすればゴールまで行けるというものでした。
私と妹はこの完全攻略本に飛びつきました。藁をも掴む思いです。
購入して驚いたのが、その分厚さ。以前に買った攻略本の倍くらいあったと思います。
これで、やっとこのゲームから卒業できる!
そう思ったのですが、甘かった。途中にハングライダーのシューティングゲームがあって、これが難しすぎて……1ヶ月間、毎日挑戦していました。
あまりに何度も挑戦したせいか、パスワードを完全に暗記していたほどです。
やっと宝島にたどり着き、お宝の目前までやってきたそのとき……。
「ははは ばかなやつめ おまえの あとを つけてきたのだ たからは おれの ものだ しねっ」
と、老人が現れ、ゲームオーバーに……。
急いで攻略本を確認してみると……宝の地図をくれた老人は、その場で殺しておかないといけないらしい。
なんというバイオレンス! その男、凶暴につき!
ということで、最初からやり直し……。
クリアまで2週間かかりました。
クリア画面には、たけしの顔と『えらいっ』の文字が。
そして、しばらく放置したところ、『こんな ゲームに まじになっちゃって どうするの』という文字……。
妹のゲーム購入から半年以上……私は何をやっていたのだろうか。
と、こんな理不尽極まりないクソゲーですが、細かい小ネタや裏技が用意されていて、たけしの悪ふざけ感がいい感じに表現されているのです。
例えば、『ゲーム開始画面でパンチを20000発打つと、宝の直前まで行ける』とか、『河川敷に森田健作がいる』とか、どうでもいい感じなのです。
えっ、パンチ20000発?
やるわけないでしょ……。