皆様、ごきげんよう。
♪(作者名)です。
皆様の好きなゲームのジャンルは何でしょうか。私はRPGが大好きです。
学生時代はテーブルトークRPGのゲームマスターを計9年ほどやっておりまして、週末になると私の部屋に集合してダイスを振ったものです。
メンバーはどういうわけか高学歴になった者ばかりで、かなり頭のいい奴らばかりでした。
彼らは私が作るストーリーを、私の性格や好きな漫画、好きなゲームから分析し、メタ読みっぽいことばかりされたのです。
一応、伏線はきちんと張っていましたが、彼らはあまり興味を持たずにメタ読みの方が楽しかったようです。
ですが、私も対抗手段を用意しています。
彼らの思考の傾向から、わざとメタ読み方向に予想させるように仕向け、真逆のストーリー展開を用意するようになりました。
こうなってくると、お互いに思考の読み合いになってきまして、変な盛り上がりに繋がったのです。
ほぼ同じメンバーで9年も続けられたのは、そういう理由だったのかもしれません。
ちなみに、私の作品はできるだけ予想を裏切るようなストーリーを書くように心がけています。
テーブルトークの影響なのですが、癖みたいになっています。
さて、そんなメタ読みのネタにされるゲームですが、私が熱烈プレイしていたのに見向きもされなかったゲームもあります。
それが、『THE BLACK ONIX』です。
なぜ見向きもされなかったのか、それは謎らしい謎がほとんどなく、シンプルすぎるためです。
このゲームが発売された1984年当時、RPGと言えば『ウィザードリィ』、『ウルティマ』など海外製が猛威を振るっていた時代です。
そんな中、颯爽と現れた国産RPGが『THE BLACK ONIX』です。
まさに、黒船来襲によって、国産RPGが目覚めた瞬間といっても過言ではないでしょう。
ですが、断言します。クソゲーです。
まず、ストーリーを見てみましょう。
『古くからの伝説によれば、永遠の命と莫大な富をもたらす宝石・ブラックオニキスが呪われた街ウツロのはずれのブラックタワーにあるのだという。この宝石を求めて、多くの冒険者達が地下迷宮へと消えて行った。』
だ、ダセえ。
街の名前が最高にダサいです。
こんな陰気臭い名前の町には絶対住みたくないです。
尖った感じにしたかったのかもしれませんが、完全にスベってますね。
ストーリーはシンプルで分かりやすいですね。
『ファルシのルシがコクーンでパージ』とか言われたら目も当てられませんが、単にダンジョンの奥からアイテムを拾ってくるだけなのです。
でも、シンプル過ぎて、ラスボスはもいません。
もう一捻り欲しかったところです。
ちなみに、呪われた街というのは、魔法使いに呪いをかけられて終始夜にされてしまったからです。
にもかかわらず、魔法の概念はなく、物理攻撃のみです。
続編の『THE FIRE CRYSTAL』では魔法が登場しますが、本作はただ殴るだけの単純作業です。
とにかく戦ってレベルを上げ、強い武器を武器屋から買い、3D迷路を奥に進んでいきます。
地下6階に到着すると、唯一の謎が現れます。
『イロイッカイヅツ』というメッセージが表示されます。
この階は中央にブラックタワーへの入口があるのですが、扉は閉じています。
この階だけ場所によって壁の色が様々になっておりまして、ある順番に従って移動すると扉の先に行けるというものです。
色の順番は機種によって異なり、パソコンのカラーコードの昇順(PC-8801版)や降順(X1版)、あるいは独自の順番(88SR専用版やFM-7版)になっていました。
ちなみに当時の8ビットパソコンは8色をカラーコード(0:黒 のように)として割り当てていたので、順番は非常に分かりやすいです。
私はX1のテープ版を使用していましたが、これにはバグがあったようです。
黄色が2個所あり、一色足りませんでした。全ての色の組み合わせを試しても扉が開きませんでした。
私の育てたキャラクターは、目に悪い原色ダンジョンを数ヶ月彷徨い、冒険は終わりを告げたのです。
大人になってからも、このモヤモヤは消えなかったのですが、PC9801版で再挑戦することにしました。
PC9801版にはバグがなく、すんなりクリアできたのです。
あのバグ、本当に何だったんだろう。
時間と金を返してほしい!
当時はこういうことが結構あったように記憶しています。
『燃えろ!!プロ野球』はロムの交換を行ったようですが、こういうケースは稀です。
なけなしのお年玉で買ったのに、こんな目に遭うなんて。
最近はパッチが自動的にアップデートされたりするので、便利な世の中になった……と、おじいちゃんは遠い目をするのでした。