「お前が出てくるって事はあいつが予言の巫女か?」
魔刃リヴァイアス氷銀の髪と氷のような眼差しの魔刃アルジェスに言い放つ。
「何も言わねえって事は図星か?」
リヴァイアスは何も言わないアルジェスにそういうと彼は深く溜息を吐くと鬱陶しそうな視線を向ける。
「ガタガタうるせえな、どうでもいいからさっさとかかって来いよ」
男は凍るような視線を向けると、リヴァイアスは嬉しそうに口角を上げる。
「じゃあ、そうさせてもらうぜ!!」
そう言ってリヴァイアスはスパートを切ると同時に彼は手から氷の剣を作り出す。
「魔剣グレイシスか!! 俺のエリオットとどっちが上かね!!」
そうして互いの剣を交える……はずだった。
「……ふん」
まるで鼻で笑うようにリヴァイアスを見る。
目の前の彼は既に氷の中に閉じ込められていた。
何も抵抗出来ず、動くこともできない。
ただそこにいる、只の置物になった。
「お前如きが俺の相手だなんて笑わせるな」
ゆっくり近づき、凍り付き身動きの取れなリヴァイアスを見て言うと、手を翳す。
彼が力を籠めると、氷が砕かれバラバラに砕け散る。
「ふん」
そうして鼻で笑うと、氷の剣も砕け消える。
「殺せた?」
後ろからアルジェスに声をかける者がいた。
桃色の髪で片目を隠した女の子、同じ魔刃のクリプトが口元で悪戯っぽく笑う。
それはまるで当たり前の事を聞くかのように問いかけている彼女に対して彼は振り向かない。
「お前、嵌めたな?」
「嵌めてないさ、ほら思い出して? 「もしかしたらここに来るかも?」ってボクは言ったはずだよ?」
そう言って彼女はクスクスと笑うと、彼は視線を向ける。
その目は先程の氷のように刺す瞳ではなく、優し気な瞳をしていた。
「そういう曖昧なのやめろっつってんだろ、全く……」
「でもいいじゃん、
「そういう問題じゃねぇ。仮にも
「あはは」
アルジェスの注意に彼女は屈託なく笑うと、彼は深く溜息を吐く。
「この後はどうすればいい? あの小僧を追うか?」
「うんうん、大丈夫だよ。 暫くは何も出来ないと思うから」
彼女はにやりと笑うと、彼は何か策略を巡らしてると察する。
「無理はしてないだろうな?」
彼女の方へ近づき、真っすぐ彼女の瞳を見る。
目元には寝不足なのだろう、少しクマが言っていた。
「あ~うん、大丈夫だよ」
「せめて目を見て言え、馬鹿が」
「あ~、馬鹿って言ったぁ~!!」
「馬鹿に馬鹿って言って何が悪い」
アルジェスは彼女を抱え上げると、エリプトは恥ずかしそうに一気に頬を紅く染めると大人しくなる。
「あまり心配をかけるな、お前が倒れたら心配するだろうが」
面倒くさそうに言い放つアルジェスだったが、その言葉には確かに優しさが籠っていた。
「じゃあ、少しだけお願い」
そういうと、エリプトは身体を預けるように彼にもたれ掛かる。
そうして彼と共にその場を去るのだった。