私はリックの後に着いていくと、大きな壁がある場所に着いた。
リックは扉の隠してあるボタンを順番に押すと、一つ目の扉が開きそこを潜ると、後ろで開かれている扉が重い音をたてながら閉じると、辺りは光を失い真っ暗になる。
暗い中、言いようのない息苦しさが私を襲う。
胸がギュッと締め付けられるようなそんな感じだった。
「これ持ってて」
「うん……」
彼の言葉で息苦しさが緩和され、冷静になる。
魔道具を私に渡すと、彼は歩き出す
「暗いのが怖いのか?」
「怖い、だって何も見えないもん」
からかわれたので、不満そうに吐き捨てる。
意地悪だな、リック……。
そうして歩いていると、彼はいきなり地面を力を込めて踏み込んだ。
彼が行動を起こすと地面を前の地面は一気に盛り上がり、壁のようになる
「ッ……!!」
苦悶の表情を浮かべると「大丈夫!?」と私が問いかけると「あぁ、大丈夫だ」と返答が返ってくるが、明らかに大丈夫な感じじゃない。
彼の言葉と同時にひゅんっと風を切る音が聞こえる。
音の方を見ると、壁の横が素早く矢のような物がすり抜けていく。
私はそれを見て彼は危険を察知し、守ってくれたのだと気づいた。
少しして落ち着くと、彼は水晶を取り出すと「手を離すなよ」と私の手を握ると、私達全体を覆うように魔力の壁ができ再び歩き出すと、目の前で火花が散る。
目の前だけじゃない、四方八方であちこちでぶつかり火花が散っている。
この魔道具は範囲防具の魔道具?なのだろう。
全ての攻撃が何かに弾かれるように火花を散らしていた。
奥へ着き近くにあるスイッチを彼が押すと、怒涛のように放たれていた攻撃が止んだ。
「ごめんな、危ない歓迎で」
「……これ、歓迎なの?」
殺されそうになるのがどんな歓迎だよっと思いながら彼に笑顔でこたえようとするが、流石に意味が解らな過ぎて顔が引きずる。
殺そうとするのが歓迎なわけがない。
記憶がなくてもそのくらいわかる
そうして奥に入り、鍵を使い扉を開かれると、人が沢山歩いていた。
「ここが、言ってたリックの村?」
「うん、フウラ村」
そう言って彼は歩き出す。
なんか、怒ってる?
そうして彼に黙ってついていくと、大きな建造物の中に入っていく。
「リックさん、おかえりなさい……何があったんですか!?」
建物の中に入ると、大人の女性が心配したように駆け寄ってくる。
「ただいまコウナさん、早速だけど三政会議開けるかな?」
「それより怪我の治療をしてください!! 治療班!!」
「大丈夫だって、かすり傷だし」
「いけません!! 貴方は三政の一人で村の顔なんですから!!」
そういうと彼と一緒に治療室へ向かう事にした。