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第3話サイドエピソード2

 治療室へ向かうと、ミリネという治療班の女の子が彼を治療していた。


「これで安心ですね、兄さん

「あぁ、ありがとうミリネ」


 医療室で治療してくれたミリネにそういうと、彼女は呆れたようにこっちを見てくる。


「今度はどんな無茶したの? 盗賊拠点の単独壊滅とか?」

「うんうん、ちょっとミスっちゃってね」

「ふ~ん」


 手を握る私を見て、何かを察する。


「怪我もほどほどにしなよ、皆心配するからさ」

「ありがとな、治療してくれて」

「仕事ですから。 あ、でもでもどうしてもお礼がしてほしいって言うならパフェ、奢ってくれてもいいな」

「はいはい、また今度な」

「楽しみにしてま~す」

 彼女が奥に行くと、少しして入れ替わるように先程のコウナが入ってくる。


「いいでしょうか?」

「あぁ、ごめんね。 忙しいのに」

「いえ、それでこちらに来たのは三政会議という事だと思い直ぐに各長に連絡させていただきました」

「流石、仕事が早いね」

「一応、イアさんは直ぐに来られるとの事ですが、リーディール家からは次期当主候補の中からイファル様が来られるとの事です

「わかった、ありがとう」


 そうして少しして綺麗な紺色の髪の女性が入ってくる。


「やぁイア、急に呼び出して悪いね」

「いいわよ、それよりその子は?」

「盗賊に襲われてた所を助けたんだ」


 イアと呼ばれた女性は「ふ~ん」っと言ってこっちを見つめ、にこりと笑いかける。


「初めまして、ボクの名はイア・フォールっていうの、イアって呼んで」



 名乗るべきなのだが、名乗る名がわからないので、どう挨拶すればいいかわからない。

 折角挨拶してくれたのに、なにか、何か返さないと……。

 とはいえ、どう返すべきか浮かばず折角自己紹介してくれた彼女に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


「イア、この子記憶がないみたいなんだ」


 彼の言葉に彼女は「そうなの?」っと問いかけてくるので小さく頷く。


「なるほどね、それで呼び出したのはこの子の件?」

「それもあるけど、魔物の件等色々報告がある」

「最近激化してるもんね、何かあるのかな?」

「わからない、だけど調査は必要だと思う」

「だとすれば誰が行く? ボクと君のどっちでもいいんだけど?」

「それに関しては考えがあるけど、イファルが来てから考えよう」


 そういうと、イファルという人が来るまで待つことになった。





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