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第8話 小さな天使 公爵家のリリス8 ざあまぁする女海賊エメラルド

青く澄んだ海が広がるヴォークス領の港町・バウリオ。その水平線の彼方から、漆黒の帆を掲げた一隻の船が姿を現した。船首には大きなエメラルドがはめ込まれ、不吉な光を放つ――その名も「エメラルド号」。


この海賊船の名を知らぬ者はいない。どれだけ厳重な海軍の網を敷こうとも、決して捕らえられることはなく、その行動は謎に包まれている。だが、今まさにその影が、バウリオの海に落ちようとしていた。


「お頭、目標発見! 商会の船です!」


船上で元騎士の一人が叫ぶ。エメラルド号の乗組員たちが一斉に動き出し、剣を抜き、帆を張る。彼らの視線の先には、悠々と航行する商会の大型船があった。


「突撃用意! 奪えるだけ奪え、証拠も忘れるなよ!」


女海賊エメラルドの鋭い声が響く。緑色の瞳が細められ、その視線が船の内部まで見透かすようだった。


元は高位貴族に仕えていた騎士たち――今はエメラルドの名のもとに集い、密輸を行う商会だけを狙う海の義賊へと姿を変えていた。彼女たちの標的、それは表向きには合法の貿易船、だが背後にはヴォークス伯爵が密かに関与していた。


「すべて回収しろ!」


合図と同時に、元騎士たちは海風を切って商会の船へと飛び移る。乗組員たちは次々と制圧され、積み荷と共に密輸の証拠書類が次々と押収されていく。


「証拠はまだ足りない。これだけじゃ奴を裁けない」


エメラルドの声は冷たく、だが確かな怒りが込められていた。彼女の胸には、ただの略奪者ではない、正義を成すという強い意志があった。


その夜、バウリオの港町に静けさが戻る頃、エメラルド号はすでに影のように姿を消していた――だがその波紋は、やがて町全体を巻き込む騒乱へと繋がっていく。


その頃、バウリオの砂浜では、ひとりの小さな令嬢が白い砂を蹴って走り回っていた。


「お嬢様、危ないですってば~っ!」


必死に後を追うマリーをよそに、リリスは初めて見る海に目を輝かせ、転んでも笑顔を崩さずに砂に転がる。


「お嬢様、ドレスが…」


クラリスが微笑みながら駆け寄り、リリスの手を取って起こす。笑顔を浮かべるリリスに、二人の侍女もつられて微笑む。


港の市場は活気にあふれ、珍しい魚介類にリリスは興味津々。その中でも特大のエビに目を奪われた彼女は、クラリスを見つめる。クラリスは困ったように言う。


「お嬢様、それはエビフライには…ちょっと…」


しゅんとした顔になるリリスに、「もっとおいしいのを作りますから」と優しく続けるクラリス。リリスの表情は、再び花のようにほころんだ。


その後も海辺を走り回るリリスの視線が、遠く沖に浮かぶ一隻の船へと吸い寄せられた。


――エメラルド号。


無邪気な少女と、復讐の海賊。 この日、リリスはまだ知らなかった。 あの黒い帆の船との出会いが、やがてバウリオの運命を変えることになることを。


プロローグのリライトが完了しました。「リリスの無邪気な海遊び」と「女海賊エメラルドの正義の襲撃」が対照的に描かれ、物語の今後の展開へ自然につながる形に仕上げています。


第1章:無言の出会いと静かな夜


青く澄んだ海と白い砂浜が広がる港町バウリオ。その静かな海辺に面した別荘に、ヴァレンタイン公爵一家は滞在していた。夏の風が優しく吹き抜けるこの町で、愛娘リリスの体調を気遣った静養のためだった。


昼は砂浜で小さな足をぱたぱたと走らせ、珍しい魚に目を輝かせるリリスの姿があった。笑い声は聞こえない。けれどその無音の幸福は、そっと見守る者の心にしみわたるようだった。


そんな穏やかな日々の中――一通の書簡と共に、来訪者が現れた。


その日、ヴォークス伯爵がひとり娘のエメリアを連れて別荘を訪れた。伯爵は笑みをたたえて広間に入り、彼の後ろを静かに歩くエメリアの足取りは、どこか硬く、ぎこちない。


「お招きいただき、光栄です。公爵閣下」と伯爵が丁重に頭を下げると、ヴァレンタイン公爵グレゴールは穏やかに頷き返した。


「ようこそ。我が家はいつでも歓迎しますよ、伯爵。それに、娘同士、いい機会ではありませんか」


二人の貴族の挨拶とは対照的に、少女たちはただ静かに見つめ合っていた。リリスとエメリア――年齢は離れているが、どこか似たような影を瞳に宿していた。


テーブルに用意されたお茶と菓子を前に、二人は互いに向き合って座った。けれど、会話は生まれなかった。


リリスは、生まれつき言葉を話さない。エメリアもまた、非常に無口で、誰かと打ち解けることが苦手な少女だった。互いに言葉を持たぬまま、ただ視線だけが交錯し続けていた。


リリスはいつも、声がなくとも相手の心を感じ取ることができた。けれどこのとき、エメリアからは、何も――まるで深い霧に覆われたように、感情の温度さえ感じ取れなかった。


エメリアもまた、リリスをじっと見つめていた。幼く、無垢で、何も語らず、ただ静かに微笑むその姿に、心の奥で何かが揺れた。けれどそれが何なのか、自分でもわからなかった。


一方、大人たちは形式的な会話を交わしていた。


「最近、我がヴォークス領では海賊による襲撃が相次いでおりまして…」と伯爵が切り出す。


「聞いております。最近の交易記録にも、その影響が見えております」と公爵は応じたが、その声はどこか上の空だった。視線は時折、リリスたちの方へ向けられ、その静かなやり取り――否、やり取りのなさに、何かを感じていたようだった。


「詳しいお話は、後ほど改めて」とグレゴールは穏やかに会話を打ち切った。


それは――「今日はこれ以上、心を疲れさせる必要はない」という配慮だったのかもしれない。


こうして、短いが不思議な時間を経て、リリスとエメリアの初めての邂逅は静かに幕を下ろした。二人の間に言葉は交わされなかった。ただ、風の音とお茶の湯気だけが、微かに揺れていた。


帰り際、エメリアは一度だけ振り返り、リリスを見た。


リリスもまた、静かに彼女を見つめ返し、小さく――ほんのわずかに微笑んだ。


第2章:エメラルドとの遭遇


月明かりが静かに波を照らす夜、リリスはひとり別荘を抜け出し、海辺の砂浜を歩いていた。昼間の喧騒が嘘のように静まり返った浜辺には、波の音だけが寄せては返す。星々の光が海面に反射し、まるで空と海が溶け合うかのような幻想的な光景が広がっていた。


そんな中、リリスはふと違和感を覚えた。海の向こう――岩陰に、ちらちらと明滅する灯りが見えたのだ。普通の漁船とも違う、妙に抑えられた光。胸騒ぎを覚えたリリスは、無言のままその光へと足を向けた。


岩場の先、月明かりの届かない海面に、ひっそりと黒い影が浮かんでいた。それは漁船などではない。どこか異様な迫力を持つ一隻の船――その名も知らぬ船を、リリスは静かに見上げた。


そのときだった。


「てめぇ、何してやがる!」


突然、船の上から荒々しい声が響き、リリスの足が止まった。黒い影の中から、大柄な男が数人、武器を携えて姿を現した。月明かりの下、彼らの目つきは鋭く、まぎれもない――海賊のそれだった。


「ガキがのぞきやがったぞ!」

「見られちまったな、さてどうする?」


不穏な空気が、波より早くリリスを取り囲む。口々にささやかれる「サメの餌」や「証拠隠滅」の言葉。リリスは声を持たぬまま、その視線だけで彼らを見つめ返していた。


「なんで黙ってやがる?」

「まさかスパイか?…いや、違う。しゃべれねえのか?」


男たちの疑念が膨らみかけたそのとき、甲板の奥から女の声が響いた。


「おい、やめな。のりすぎだよ、お前ら」


その一言に、空気が変わった。


船上から姿を現したのは、ひとりの女――緑の瞳に夜を宿したような、威厳と冷静を纏った女性だった。彼女の名はエメラルド。この船の主であり、悪名高い海賊団を束ねる“お頭”だ。


「ちびがスパイのわけねぇだろ」

「しゃべらねぇんじゃなくて、しゃべれねぇんだ。見逃してやんな」


静かに、しかしはっきりとした言葉が男たちを押し返す。彼らは一瞬躊躇しながらも、リリスの前から一歩ずつ退いた。


エメラルドはリリスの近くまで歩み寄ると、小さく吐息をついた。


「ここに来たことは忘れな。次は、サメの餌になりたくなきゃな」


その声は冷たくも聞こえたが、リリスの瞳には、彼女の奥に潜む優しさがはっきりと映っていた。エメラルドは誰よりも早く、リリスが何者かを見抜いていたのかもしれない。


「行きな、小さなお嬢ちゃん」


その言葉に、リリスは小さく頷いた。そして、恐怖も驚きも口にできぬまま、静かにその場を離れていった。


背後で聞こえる海賊たちのざわめきも、エメラルドの低い命令の声も、もう遠くなっていた。


だが、リリスの胸にはひとつの疑問が残っていた。

あの人は、本当にただの“海賊”なのか?


彼女の瞳の奥に宿る光が、なぜか懐かしく、どこか優しかった――

そう思ったことだけは、決して忘れられなかった。





第3章:エメラルドの正体


リリスの胸には、あの夜に出会った“エメラルド”という海賊への違和感がくすぶり続けていた。あの人は、本当にただの海賊なのだろうか――その冷静で凛とした姿の奥に、何かを隠しているように思えてならなかった。


その直感を確かめるため、リリスは月の浮かぶ夜、再び岩場の入江へと足を運んだ。


満潮を迎えた海は波音を高めながらも、月明かりに照らされてどこか神秘的だった。その静寂の中、リリスの目に映ったのは、甲板に静かに佇むエメラルドの姿だった。船の先端に立ち、何かを見つめるその背中は、日中のような威圧感ではなく、どこか孤独で張り詰めていた。


リリスが足音もなく近づくと、エメラルドは気配に気づき、振り返った。


「また来たのか」


低く、しかしどこか呆れ混じりの声。リリスは返事をせず、ただじっとその瞳で彼女を見上げた。沈黙の中に込められた想いに、エメラルド――いや、エメリアは視線を逸らし、肩を落とした。


「……帰れ。ここはお前の来る場所じゃない」


その言葉にも、リリスは一歩も動かない。代わりに小さな手を伸ばし、そっと彼女の髪に触れた。そして、ゆっくりと、黒いウィッグを外す。


さらりと現れた金色の髪が、月明かりの下できらめいた。リリスはその光を見つめたまま、何も言わずにただ頷いた。


エメリアはしばし無言のままリリスを見返していたが、やがて静かに言った。


「……バレたか。そう、私はエメリア。ヴォークス伯爵の娘よ。そして、エメラルドでもある」


リリスはその告白に驚いた様子も見せず、ただ静かに彼女の言葉を待っていた。


「父が……密輸に手を染めていたのを知ったの。でも、証拠がなければ何もできない。だから私は海賊になった。“エメラルド”として、父の裏の顔を暴くために――」


リリスの瞳が優しく細められた。小さな頷きが、すべてを理解しているという証だった。


「……リリス様。お願いです。このことは、公爵様には黙っていてください。私自身の手で決着をつけたいのです」


リリスはしばし考えた後、再び静かに頷いた。その仕草に、エメリアの表情がほっと緩んだ。


「ありがとう。……あなたは不思議な子ね。言葉を交わさなくても、通じてしまう」


エメリアは、再び黒いウィッグをかぶり、顔を引き締めた。


「さあ、リリス様。ここから先は、私に任せて。あなたは――どうか安全な場所でいてください」


リリスはその背中に向かって、小さく手を振った。そして波打ち際を歩きながら、静かに別荘へと戻っていった。



---


その晩、リリスは自室で机に向かっていた。小さな手で紙に「ぱいれーつ」と書いては、丸めて捨てる――そんな行動を繰り返していた。告げるべきか、守るべきか。リリスの心は揺れていた。


やがて、眠気に勝てずに机に伏したまま、眠りに落ちた。


しばらくして、公爵グレゴールが部屋に入り、机で眠るリリスを見つけた。そっと彼女を抱き上げ、ベッドへ寝かせる。その足元に転がっていた丸められた紙に気づき、何気なく拾い上げる。


「ぱ…らぱ…ぱー? いや、“ぱい…れー…”? なんだこれは…?」


グレゴールは首をかしげながらも、苦笑いを浮かべて紙をそっと折りたたんだ。そしてベッドの枕元に置き、リリスの額に手を添えてささやく。


「おまえの考えていることは、相変わらず読めんな…」


リリスはその手のぬくもりを感じながら、眠りの中でほんの少しだけ微笑んだ。


第5章:裏切りの証と正義の執行


エメラルド――いや、エメリアは、決意を胸に父であるヴォークス伯爵の前に立った。その手には、密輸行為の証拠を握りしめている。屋敷の広間に響く足音と共に現れた彼女の姿は、海賊の顔ではなく、一人の貴族令嬢としての凛とした気高さを宿していた。


「伯爵。もう、逃れられません。これが貴方の罪を示す証拠です」


そう言って差し出された書類の束を見て、伯爵の顔がこわばった。その目がわずかに揺れたのを、エメリアは見逃さなかった。だが伯爵はすぐに薄笑いを浮かべると、声を低くして言い放った。


「娘よ、お前が……この私を告発するつもりか?たかが海賊風情の戯言を、誰が信じると思うのだ」


鼻で笑う伯爵の態度に、エメリアは微かに眉を動かし、黒いウィッグを静かに外した。現れた金の髪が広間の灯に照らされて、ひときわ鮮やかに輝く。


「私はエメラルド。そして、ヴォークス伯爵家の長女、エメリアです」


その一言で、伯爵の顔から血の気が引いた。


「……なんだと……?お前が……エメラルド……だと……?」


信じられないというように目を見開いた伯爵は、激昂し、椅子を蹴り飛ばして立ち上がった。


「貴様……私を裏切る気か!」


「いいえ、お父様が先に国と民を裏切ったのです」


その言葉に、伯爵の顔は怒りに染まり、家令に目配せをする。


「この裏切り者を捕らえろ!娘であろうと容赦はするな!」


屋敷の兵が一斉に動き出そうとした――その瞬間。


「そこまでだ!」


重々しい声が広間を震わせた。扉が開き、ヴァレンタイン公爵が騎士団を率いて堂々と現れたのだ。


「伯爵、貴殿に対して密輸の嫌疑がかかっている。王命により、貴殿を拘束する」


その言葉に、伯爵は地面に膝をついた。屋敷中に響く剣の鞘の音と、騎士たちの規律ある動きが、彼に逃げ場がないことを知らしめた。


一方で、公爵の後ろには、騎士の馬に乗ったリリスの小さな姿があった。リリスは広間に倒れるように座り込んだ伯爵を見下ろしながら、じっと黙ってその結末を見つめていた。


しかし、公爵は次にエメリアに向き直り、冷静な声で語りかけた。


「エメリア嬢。あなたには海賊行為の嫌疑がある。法に則り、事情聴取のため同行を願いたい」


その瞬間、広間に静かなざわめきが広がる。エメリアは少しだけ驚いた表情を見せたが、やがて静かに微笑んだ。


「はい。覚悟の上です」


リリスは公爵の隣でそのやりとりを聞いていた。思わず公爵の袖を引くような仕草をしたが、公爵は穏やかにその手を握り、言った。


「リリス……どんな理由があろうと、彼女が法を破ったのは事実だ。私たちが守らねばならないのは、国と民の秩序なのだよ」


エメリアはリリスの元に歩み寄り、そっとその小さな手を取った。


「リリス様。ありがとう。あなたがいてくれたから、私は最後まで迷わずに済みました。……これからは、自分の過ちと、正義の重さをきちんと受け止めて生きていきます」


その言葉に、リリスはただ静かに頷いた。


そして、エメリアは自らの足で歩き、公爵と共に屋敷を後にした。その背には、かつての罪と、それに向き合う勇気が宿っていた。


リリスは騎士の馬に乗りながら、ゆっくりと遠ざかるエメリアの背を見送り続けた。彼女の胸には、まだ言葉にはできない思いが、静かに灯っていた。



---了解しました。以下はプリンセス・エレノーラ(名前訂正済み)を反映したエピローグのリライトです。



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エピローグ:海風と緑の宝石


エメリアは、自らが選んだ道の果てに、厳しい裁きを受ける覚悟をしていた。父を告発し、法に背いてまで密輸船を襲った事実は、重く背負うべきものだった。だが、王より下された裁定は、彼女の予想を大きく超えるものだった。


ヴォークス家は取り潰され、父・元伯爵は爵位を剥奪。だが、エメリア自身には恩赦が下され、「エメラルド伯爵」の新たな称号が授与された。そしてそのまま、旧ヴォークス領は「エメラルド領」として存続し、エメリアがその初代領主に任じられたのだった。


この前例のない判断の裏には、ひとりの小さな少女の存在があった。


王宮の謁見の間で、リリスは震える手で「えめりあをばっしないで」と書いた紙を国王に差し出した。そして何度も頭を下げ、涙を浮かべながら、無言で訴えた。


「罰しちゃ…いや、いや……」


王はその姿にしばし沈黙し、やがて目を細めて呟いた。


「この子が差し出した小さな祈りを、国が踏みにじってよいものか」


さらに、プリンセスもまた進み出て、毅然と口を開いた。


「陛下、彼女の罪は罰に値します。しかしその行動の根底には、国家への忠誠と、真の正義がありました。どうか、それをお認めください」


王と王女、そして一人の少女の願いによって、エメリアは罰を免れたのではなく、より重い責務――「民を導くこと」を背負うことになったのだ。


こうして「海賊エメリア」は、正式に「海賊伯爵(パイレーツ・カウント)」となった。


エメラルド領は港町として整備され、かつて密輸の温床だった海は、交易と旅の要所として新たな命を得た。エメリアはかつての剣を納め、今は領民の声に耳を傾ける日々を送っている。


港町の子どもたちは、今も彼女を「お頭!」と呼ぶことがある。


「……領主さまだってば!」


「いいのよ、どっちでも」と笑って返すエメリアに、かつての海の強さと、今の温かさが同居していた。


そして、リリスは時折エメラルド領を訪れた。エメリアと海を見ながら、言葉なきままにお茶を飲み、静かに微笑み合う時間が、何より大切なものになっていた。


少女が差し出した「いやいや」の祈りが、ひとつの運命を変えた。


その風は、今日もエメラルドの岬を吹き抜けている――。



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