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25 1000/2003

 私が選んだ底の厚い黒い靴を踏みしめて、私達は透明さを失ったビルを発見した。

 窓のあった場所が全て吹き抜けになっていて、風通しが良かった。私はそのビルをローアングルで撮影する。遠くで立つ中村くんの背中を写して。

「どっちに行く?」中村くんは首を傾げた。

「暴徒じゃない人がいる場所を探そう。必ず、あると思うから」私は言った。


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