細かな雪が降り始めたモリの道路の上で、僕らはどうにかして寒さをしのぐためにテントを設営できる場所を探していた。
次第に雪は豪雪と化し、電灯の付いていない道路がしんと闇に包まれる。僕らは絶望しながらも進むと、ふいに電灯の明かりがついた。
「え?」
公共設備が起動したということは、誰かが電気をこの先の街に渡らせているということだ。
「人がいるかもしれねえ!」
と中村くんが叫ぶ。
豪雪は身体を冷やし蝕んでいった。
しかし灯った電灯が三角形に落ちる真下で、雪は美しく光を反射しているように見えたのは、寒さで僕の眼がおかしくなったからなのだろうか。