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67 1877/2003

 車内から撮影した太平ヨウは大きかった。

 冬の風が段々と生ぬるいものになっていき、僕らは廃れた街を三つほど通り過ぎて山に入った。

「ねえねえ、浅井さんって元々なにしてたんスか?」

「俺?」

「はい!」

 浅井はいつも西本に対してみせる反抗的な表情を崩し、少し考え込んだ。

「何でもないことだよ。何でもないこと」

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