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とれない休み

 新しい事業であるリハビリ中の食事メニュー作りの契約が成立し、俺とメルは詰所を出て帰路につく前にメルの方から話しかけてくる。


「ユーイチ君、サンプルメニュー作りが必要だし、明日は私も今日紹介されたお宅に行くわ」

「そうだな、だけど先にリハビリを始めているし、メルが来てからサンプルメニューを紹介するよ」

「そっか、それじゃあお願いね」

「ああ」


 そう言って、俺は診療所に、メルはお店へと帰っていった。


 歩いて診療所に到着するがもう診察時間まで時間がないし、ミミ達への報告は後とし、まずは午後の診療準備を始める。


 そして午後の診療も特に大きな問題がなく終えると、診療時間が終了し患者が来ないと悟ったミーザが俺に尋ねてくる。


「ねえねえ、ユーイチ、そういえばリハビリ中のご飯の話ってどうなったの?」

「ああ、メルとの契約も成立し、明日早速紹介されたお宅に往診をする事になった」

「いきなり明日!それは大変だね」

「早く来て欲しいそうだし、メルも初日だからサンプルメニュー作りに来てくれる」


 俺とミーザが話しているとミミも話に入ってくる。


「ユーイチ様、そちらのお宅の方は食事作りまでは希望されているのですか?」

「いや、そこはまだ話は聞かないと分からないな」

「それでしたら私もリハビリとお料理のお手伝いに参ります。幸い明日は私も治療の往診はありませんから」

「そうか、分かったお願いするよ」


 必要な時は休みを申請しますと言ってくれたミミだったが、あれからも診療所が休みの日以外はここに来ている。今が慌ただしくていいにくいかもしれないな。もう少し様子を見てなかなか休みをとろうとしないならこっちから促すのも手だな。


「あのユーイチ様、どうかなさいましたか?」

「いや、何でもない、とりあえず明日は頼むぞ」

「はい、それではお疲れ様でした」

「ああ、お疲れ」


 ミミが診療所を出て、気配を感じなくなるとミーザがまたしても俺に声をかける。


「ねえ、ユーイチ、ユーイチもあれからミミが休んでいない事を気にしてた?」

「ミーザ、そう言うって事はミーザも気にはなっていたのか」

「まあね、自分から休みますって今の状況じゃ言いにくいのかもね」

「だけどこのままじゃズルズルしてしまいそうだし、何か考えないとな」


 ミーザもやっぱりミミがなかなか休めない事を気にしていたのか、とりあえず今回の往診のリハビリ中の食事作りが一段落したらミミが休みやすくなる方法も考えないとな。


 ミミに治療法を教えてもらう暇も惜しいな。仕方ない、でまた合間に探してみるか。

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