さすがに王様と話した事はばれていないようだが、みんなが俺の様子がおかしいと感じており、しまいにゃ、王都で診療所をするんじゃないかという憶測まで生まれてしまった。
そして俺もだが、どこかみんなもお別れの雰囲気を感じているようだ。
そこでちょっと当初の予定と違うが少しだけ王様話した内容を解禁し、そのうえでの俺の考えを話す為にみんなを診療所に呼ぶことにした。
その日の診察も無事に終わり、ミミとミーザと一緒に残りの2人を現在待っている状態だ。
「ユーイチ、ギベルトはともかくメルは来れるのかな?お店もあるのに」
「メルは少し早めに切り上げるって言ってたし、多少遅れてでも来るはずだ」
「それならいいんだけど」
俺がミーザとやり取りをしていると扉をノックする音がしたのでミミが対応すると俺に言った。
「私が出ます」
そう言ってミミが扉に近づき開けるとそこにいたのはメルであった。
「メルさん、こんばんは」
「こんばんはミミちゃん、えっとギベルト君は来てるのかな?」
「いえ、メルさんが最初ですよ」
「そっか、じゃあ待たせてもらおうかな」
ミミの案内でメルが診察室までやって来て、俺やミーザとも挨拶を交わす。
「こんばんは、ユーイチ君、ミーザちゃん」
「こんばんは」
「こんばんはメル」
今度はギベルトの到着を待つ事になり、その間にミーザがメルに話しかけている。
「そういえばお店早く終わらしたらしいけど大丈夫なの?夜の方がお客さん多いんでしょ」
「そうだけど、わざわざユーイチ君が呼んでくれたし、きっと私達にとっても大事なお話だし、みんなでちゃんと聞きたかったの」
「そうだね」
メルはああ言ってくれていてとてもありがたいが、一応俺はもし今日が無理なら日にちを調整する事は考えてはいたな。
そして再度扉をノックする音が聞こえたので今度は俺が対応する事にする。
「俺が行くよ、多分ギベルトだろうし」
「ええ、お願いします」
ミミの言葉を受けて扉に近づき開くとやはりそこにいたのはギベルトであった。
「よう、待たせちまったな」
「こんばんは、メルもさっき来て、これで全員揃った」
「お、そうなのか、じゃあ入らしてもらうぜ」
俺はギベルトを診察室まで案内し、そこで全員と挨拶を交わす。
「ようみんな、少し待たせちまったな」
「いえ、ギベルト様もお忙しいとは思いましたので」
「こんばんは」
「私も今来たところだし」
どうにかみんな揃ったし、王様から聞いた話の一部の解禁と、俺自身がこれからどうしていこうと思っているかを話そう。