ミミの残りの見習い期間が1年半と聞いた俺はもしそれより早く入院施設が完成したら残りの帰還を聖女見習いの活動に専念して欲しいと告げると、ミミは少し戸惑っており、俺に疑問をぶつける。
「ユーイチ様、どういう事ですか?入院施設が完成したら私は見習いの活動に専念して欲しいって?」
「言った通りの意味だ、入院施設が完成したらミミは立派な聖女になる為の活動をして欲しい」
「それは答えになっていません、今まで一緒に頑張って来たのにどうして入院施設が完成したら私がユーイチ様と別々にならなくてはいけないか聞いているんです!」
ミミが俺にしっかりとした理由を問い詰めるとメルも俺に対して言葉を発する。
「ミミちゃんの言う通りだよ、ミミちゃんは見習い期間の間はユーイチ君を手伝いたいと思っているんだからどうして入院施設が完成したら別々にならなくちゃいけないかちゃんと説明をしてあげてよ」
「ミミ、入院施設では治療を終えた人のリハビリが主な役割になる。俺も診察とリハビリが主な役割になるし、治療は主な役割ではないんだ」
「ですが、それでも治療しなくてはリハビリまでは移行できないはずです。せめて見習い期間の間だけでもお手伝いは必要なのでは」
「入院施設が完成したら治療担当の治癒士を派遣すると聞いている、それに領主様もミミには聖女見習いの活動に専念して欲しいって言ってたな」
本当は王様と入院施設での治療担当をどうするかを話している時にミミには立派な聖女になって欲しいと俺達の考えが一致した事でそうなった。派遣予定の治癒士は現在コーロに在住している治癒士を考えてはいると聞いて、領主様にも既にその話はしてある。
「そうだったんですか、ですがそれでも少しはお手伝いはできませんか、毎日でなくてもいいですし、せめて見習い期間の間だけでも」
「ミミ、ミミならそう言うとは思ったし、入院施設の具体的な話も本当は用地が見つかって建設に着手してからしようと思っていたんだ」
「ユーイチ様……」
「だけど、みんなの話を聞いて改めて思い出したんだ、いずれはみんなそれぞれの道に歩みだす事を」
俺がそう言うとみんな黙って聞いており、更に俺は今伝えたいと思った事を話す。
「ミミとは入院施設の建設が終わった時点で別々で仕事をする事にはなるが、それが今まで助けてもらったミミの為にできる事だと思う。実際に入院施設の事まで手伝っていたらまた魔法の練習時間を奪うことになるしな」
「ユーイチ様、私は……」
ミミ、ミミの気持ちはどうなんだ?