ミミが俺の入院施設が完成したら聖女見習いに専念して欲しいというお願いを受け入れてくれて、俺は改めてミミへと声をかける。
「ミミ、入院施設の建設はいつから始まるかはまだ分からないが、それまでは頼むな」
「もちろんです、そして完成したら残りの期間は専念します」
「ああ、ミミならきっと立派な聖女になれるさ」
「ありがとうございます、でも時々は入院施設や皆さんのところにお邪魔したいですがいいですが?」
ミミが時々、入院施設やみんなのところに行きたいと言うとそれぞれが返答をする。
「あたしはもちろんいいよ、お菓子とか食べに来てね」
「俺は構わねえけどよ、うちの工房はうるせえし、熱いぞ。まあ来てくれるなら酒はミミには早いからお菓子かお茶でも用意しとくぜ」
「もちろんオッケーよ、食べに来てくれるなら私はいつでも大歓迎よ」
みんながミミに対して自分の家や店、工房に来るのを歓迎していると返事をしていない俺にミーザが尋ねてくる。
「ちょっと、ユーイチ、ユーイチはどうなの?」
「え?あ、えっと、ミミ、今そういう約束をするなら、基本的にはミミ自身が治療が必要な場合以外はなるべく入院施設には来ない方がいいと思うな」
「やっぱりそうですよね、仕方ありませんね」
「その代わり、ここには俺がいる時ならいつでも来ていいぞ、お菓子とかお茶、たまには何か作って食べようか」
俺がミミをもてなす事を考えていると話すとミミが満面の笑顔で返答をする。
「はい、楽しみにしています」
「はは、いつも作っているようなのしか用意できないけどな」
「いえ、ユーイチ様がいつも作ってくださるのを食べる事でユーイチ様が私の為に作ってくださったと伝わりますから」
ミミの嬉しい言葉に感激していると何故かメルが対抗心を燃やす言葉を発した。
「ちょっと待ってミミちゃん、ユーイチ君より私が作った料理の方が美味しいわよ。遊びに行くのはいいけど、ご飯を食べるなら私のお店に来てよね」
「いや待てよメル、別にミミが言っているのは味どうこうだけの話じゃなくてな」
「ユーイチ君がミミちゃんの為に色々したいのは分かるわ。でも事料理にかけては黙ってはいないわ」
「いや、そういうところでなんで無駄に対抗心を燃やすんだよ、意味が分かんねえよ」
変な対抗心を燃やすメルに対して抗議をしていると何故かミーザとギベルトも加わってきた。
「ミミ、あたしはおっ母に頼んでいいお菓子をもらってくるよ。おっ母の仕事先にお菓子に詳しい人がいるからさ」
「俺はお菓子や茶にはそんなに詳しくないがミミの為におしゃれなカップや食器を作ってやる」
まったくこいつらは、だけどこのやり取りで密かに微笑むミミを俺は目にしてどこか安心したな。