今後の事をみんなに話し、とりあえず新たな知らせが来るまでは今まで通り過ごす事とし、そんな日から約1ヶ月がたったある日、いつものように診療所での診察準備をしていると扉をノックする音が聞こえ、そこにはミミがいて手に手紙のようなものを持っており、俺に挨拶してからそれを渡す。
「おはようございますユーイチ様、郵便受けに文が入っていましたので、お渡ししておきますね」
「おはようミミ、ありがとう。ん?アレフさんからだな」
「なんでしょうか?」
「とりあえず休憩時間に読んでみよう、さ、診察の準備をしよう」
それからミーザも出勤してきて、午前の診療を無事に終えると、休憩時間にミミとミーザにも手紙の内容を聞かせたいが、まずは俺が別室で確認する。
もし先日の王様との会談の事がアレフさんの耳にも入っていて、その事に言及する内容かもしれないしな。
内容を確認し終えた俺はダイニングに戻ってミミとミーザの前で手紙を読み上げた。
『ユーイチ・ミヤシタ殿、先日私の元に領主様より貴殿が建設を望んでいる入院施設を建てるのに適した用地が見つかったとの知らせがあった。ついてはこの話を詳しく貴殿としたいと思うので、詰所宛に都合の良い日程を記した文を届けていただく事を願う アレフ』
手紙を読み終えてからミミとミーザが聞いた感想を話してくれる。
「良かったですねユーイチ様、用地が見つかったなんて」
「早く返事を書こうよ、モタモタしていると領主様の気が変わっちゃうかもしれないよ」
「まあ話し合いならすぐにできる日にしておくか」
そう言って俺は部屋に戻って手紙の返事を書き、直接届けてもいいんだけどわざわざアレフさんは郵便屋さんを経由したし、俺もそうする事にした。
そうしておけばこの街内なら明日には届くだろうしな。
そして2日後の午後の診療前に郵便受けを確認するとアレフさんからの返事が届いた。
早速俺はミミ達と一緒に中身を確認する。
『ユーイチ・ミヤシタ殿、貴殿の希望に沿い、この文が届いた翌日に詰所に来てくれたまえ、そこで詳しい話をしたいと思う。待っているぞ アレフ』
ミミ達と一緒に手紙を読み終え、まずは俺が明日の事を話す。
「それじゃあ、早速明日の午前診療が終わった後に詰所に行ってくる」
「ええ、お気を付けて」
「万が一話し合いが長引いてもとりあえずあたし達だけで診療所は開いておくよ」
「そうだな、頼むぞ」
早速、事は動き出したな。どういう土地に建てる話が進んでいるんだろうか?