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視察のお誘い2

 アレフさんから入院施設の建設予定地への視察を提案された俺は早速まずはミミとミーザを視察に誘い、今日はギベルトとメルも誘う予定だ。


 午前の診療を終えた俺は昼食をすませて出かける事をミミとミーザに話している。


「それじゃあ行ってくる、まずはギベルトから誘ってみるよ」

「行ってらっしゃいませユーイチ様、お気を付けて」

「ああ、じゃあ行ってくる」


 ミミの言葉を受けてまず俺はギベルトを誘うべくギベルトの工房へと向かった。


 しばらく歩いてからギベルトの工房に近づくと相変わらず作業の音が響いているな。


 ともあれ俺は声を出しても聞こえないと思い、いきなり工房に入り、タイミングを見てギベルトに声をかける。


「ギベルト!聞こえるか!俺だ!ユーイチだ!」

「おお、ユーイチか!どうしたんだ?」

「少し話したい事があってな、ん?もしかしてこれって包丁か?」

「そうなんだよ、前に売り込んでから包丁作りの依頼も来てな、この間はメルにも頼まれたんだ」


 前に食の催し物の打ち上げで包丁作りを売り込んでいたな、メルもやっぱりギベルトの腕は信用しているんだな。


「それでユーイチ、お前の話っていうのは?」

「実は入院施設の建設に適した土地が見つかって視察に行く事になったんだ。今度の診療所の休みの日なんだがギベルトも行ってみるか?」

「俺もか?いいけど俺が言ってもいいのか?」

「俺の次の働く場所がどういう所か見て欲しいし、みんなの意見も聞きたいと思ってな」


 ミミやミーザにも言った事と同じ内容をギベルトにも話すと納得したようにギベルトが言葉を発する。


「まあ、お前らしい考えだよな。いいぜ次の診療所の休みだな」

「行ってくれるか、ありがとう」

「まあ俺の意見はあんま期待しないでくれ」

「まあ、そう言うなよ、それじゃあ、今度はメルも誘ってみる」


 メルを誘う事を告げるとギベルトも返答をする。


「おお、じゃあ行ってこい、きっとあいつも喜ぶぜ」

「それじゃあ、またな」


 そう言って俺はギベルトの工房をあとにし、メルの店へと向かう。


 この時間は店も休憩時間の為、俺は裏口をノックしてから中にいるであろうメルに呼びかける。


「メル!俺だユーイチだ!」


 俺が呼びかけるとメルが裏口の扉を開けて俺に対して声をかける。


「こんにちは、ユーイチ君、どうしたの?」

「メル、いきなりだけど実は入院施設の建設に適した土地が見つかったんだ」

「そうなの?よかったじゃない」


 さ、メルは視察に付き合ってくれるかな?

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