11話 元アサシン、バート事実に迫る。
俺も風呂から上がり、美空が持って来た
「美空は、このゲームが本当に好きなんだな!」
持ってきた本の多さに、俺はビックリさせられた。
「うん、好きだよー。美空はねー、
「なら、貸してもらうな」
「うん。バート、お休み~」
美空が部屋に戻ったので、まずは
心の準備は出来ていたが、やはり俺はこのテレビゲーム、
俺とタクマが聞かされていたことが書いてあり、聞かされていなかったことや仲間達の
俺達の
「ふう~~ぅ」
大きく息を吐き、次のページをめくるとイベントで美空と
読み続けていると、とんでもない事実が書いてあった。
「えぇーーぇ!!」
み、美空って、おっ、俺の母さんだったのかぁー! イヤ、イヤ違う、違う……勘違いするなよ、落ち着け俺。
元の世界でのことだぞ! 美空はイベントでのコスプレだ。
幼少の頃に
俺の母は、
そこに
母さんは、俺のことをちゃんと
(う~ぅ、美空~……じゃなくて、エリー母さん。生存中にエリー母さんと呼んであげたかったよ)
(若い頃の母さんとエミリーさん、いい意味で
〈チュンチュン、チュンチュン〉
外で鳥が鳴き出した。
縦開きのブラインドカーテンを開けると、外が明るくなり始めていた。
攻略本を置き、窓を開けて大きく伸びをした。
「残りは2冊だ」
部屋を出て台所に向かい、コーヒーを入れて飲み、気持ちを落ち着かせた。
「さて、トイレを済ませて続きを読むかー」
コーヒーカップを洗って、二階に上がった。
★★★★
部屋に入り、攻略本を手に取り、一息してから読み始めた。
タイトルが長いので、アサマズ2とした。
「さて、ここからは俺のことが書いてあるはずだ」
アサマズ2からは、ロギー
俺は自分のことより、
「そうだったのか……タクマ」
「わざと捕まり、
俺に物心が付いた頃、タクマ
毒のために、熱や吐き気や体に痛みが出て苦しんでいる時もあった。
俺が
タクマ兄を死なせないために……
俺の目からは、大量の熱い何かが流れていた。
「生きていてくれて、良かったよ。タクマ
ティッシュを取り、熱い何かを拭き、鼻水をかんで自分のことを読み始めたのだが、追体験をするゲームなら成功していた
俺は未熟者だ……俺の潜入は、城に潜入してから3の時にはバレていた。
タクマ
(全く恥ずかしいものだ。自分の
暗殺予定のバン王、エミリア王妃、
どうやら俺は、ウエルス国の
意識を失っていた最中に、手足の拘束をされて、マスクを外され、口を塞がれ、目隠しをされていた。
俺のルートは、ここでタクマ
攻略本を読んでいて、どうしても気になっていることがあった。
タクマ
「何処に行くか楽しみだな。バート」
(死ぬなよ。バート)
「もう二度と会うことはないだろうな。サヨウナラだ」
この言葉の意味だ! 俺は、ここで死ぬ予定だったのだろうか? 俺を逃がすために危険なリスクを負ってでも、薬をすり替えて俺を他国へ逃がすために、あの液体を飲ませたのであろうか。
〈コンコンコン〉
「バート起きている? 朝食が出来たよ」
美空から声を掛けられたので、時計を見ると午前9時を過ぎていた。
「起きているぞ~、美空~。下に行くから待っていてくれ」
俺は2冊の攻略本を持ち、リビングに向かった。
★★★★
「おはよーう、バート」
「おはよーう、母さん……じゃなかった。美空」
(バカか俺は、しっかり引きずっているじゃないか……汗)
朝食は、
朝食を食べ終えて、洗い物を終えた美空が台所からリビングに戻って来た。
俺は意を
「美空、スマン。このカッコの部分は、どう言う意味なんだと思う? 俺は読むことはなんとか出来るが、言いたい意味がまだ良く分からないんだ」
美空に攻略本を渡すと、美空が声を上げた。
「あ~あバート、よだれを垂らしていたなー。よだれで本が
「……スマン。美空」
(俺の熱い何かで、なっちゃっていたみたいだ……。ゴメン)
美空は攻略本を頷きながら、しばらく読んでいた。
タクマルートの最後がまだ書かれてないから、分からないと言われた。
だが美空は、俺にこう教えてくれた。
「多分、バートルートのタクマは、バート服部のことを助けたかったんじゃないかなー? だってバート服部の追い込みの全てをタクマがしているしね! 自分が行えば調整が出来るからね。(死ぬなよ。バート)と、心の中で願っているみたいだしね」
美空の説明を聞いていて、俺はまた熱い何かが目から流れていた。
「ナニ? バート泣いているの? 大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。目にゴミが入ったんだ」
素早くティッシュを取り、美空に気付かれないように目を隠した。
「有り難う、美空。意味が分からないと読むのも大変なんだな日本語。少し寝るよ、攻略本ありがとうな」
俺達は二階に上がり、美空にアサマズ2の攻略本だけを残して、感謝を伝えて返却をした。
俺は少し寝ようとしたが、イベント会場で言われたことが頭に浮かんだ。
〈
俺は今、ココに居るのだが……。
もし、
この世界から俺は、消えるのだろうか……。
考えていたのだが、知らぬ間に俺は眠ってしまったようだ。