26話 告白、本当のバート。
ついにその時が来てしまった! 美空に俺の体の
最近は手が消えかけたり、意識が途切れる感覚が増えて、隠すことがもう限界だった。
心のどこかで、いつかはこのことを話さなければならないと感じていたが、その瞬間が
「バート、どうしたの? 最近のバート、やっぱり変だよ?」
真剣な表情で美空が俺を問いただす。
美空の目には不安と心配が浮かんでいる。
一瞬、俺は言葉を失ってしまった。
美空は、こんな俺のことを心配してくれる、本当に優しい子なんだ。
その美空に、こんなことを話すのは、とても辛かった。
でも、隠すことはもう限界だと
「実は俺、この世界の人間じゃないんだよ……美空……」
話し出したが俺の声は震え、目をそ逸らしたくなったが続けて話した。
「俺は、美空の好きなゲーム、
美空は
だが、美空の表情は次第に変わり、涙が頬を伝った。
「どうしてそんなことを
その言葉は、俺の心にグサリと刺さった。
美空の声は怒りと悲しみに満ちていて、何も言えずに俺は、ただ立ち尽くすしかなかった。
美空の涙を見ると、胸が痛む。
俺が美空と過ごしてきた1年は、確かに楽しく心温まる時間だった。
「俺は、もう、この世界からいつ消えてしまうかわからない。だから、ずっと話せなかった」
言葉を絞り出すようにして、俺は話を続ける。
「美空には笑顔で居てほしかったから、真実を伝えられずにいたんだ」
美空は涙を流しながら、俺を見つめている。
美空の目には、悲しい気持ちが宿っていた。
俺の言葉が、美空にどれだけの痛みを与えたのか、痛感した。
申し訳なさと
「バート、そんなこと言わないで……」
声を震わせながら美空は言った。
「私達は一緒に過ごしてきたのに、バートがどんな存在でも、もっと一緒にいたかったのに……」
その言葉は、俺の胸をさらに締め付けた。
美空の気持ちを無視していたことが申し訳なくてたまらない。
「美空、俺は……」
言葉が続かない……どうしても、美空の思いを受け入れられずにいた。
「でも、俺はもうここに居られないかも知れないんだ。だから、美空を傷つけたくなかった」
言い終わると、俺の頬に平手打ちが飛んできた。
「バカ! そんなこと、私が聞きたかった答えじゃない!」
美空の体と声は、深い悲しみで震えていた。
美空はそのまま自室に戻ってしまい、扉が閉まる音が静かな空間に
その時、自分の選択を後悔した。
美空の気持ちを無視して、俺が何者なのかを伝えなかったことで、美空を傷つけてしまった。
心の中で何度も何度も自分を責め続けていた。
この世界での俺は、美空の笑顔を守ってあげることが出来なかった。
どうしてこんなに大切な人を傷つけてしまったのか。
美空と過ごした日々が、どれほど掛け替えの無いものであったのかを、思い知らされる。
美空の笑顔、
「……美空」
美空のことを思うと、胸が引き裂かれたように激しく痛む。
いったい、これからどうすればいいのか。
俺の心は、不安と後悔でいっぱいだった。
どれだけ美空に謝りたいと思っても、もうそのチャンスは失われてしまったのだろうか。
美空が扉の向こうで泣いているのを想像すると、俺は何も出来ず、ただ立ち尽くすしかなかった。
美空の存在が、俺にとってどれほどの意味を持っていたのか、俺の存在が、美空にとってどれほどの意味を持っていたのかを、今になって痛感していた。
★★★★
「タケダさん、バートルートの確認、お願いしたいのですが、大丈夫ですかぁー?」
「OK! 今、チョット外せないんだ。後で見ておくから、今日は上がっていいぞー」
「了解でーす。お先でーす」