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第34話

34話 特訓の日々


 服部はっとり流派りゅうはの特訓場で仲間達と共に、新たに手に入れた雷の呪力じゅりょくみがくため、毎日特訓にはげんでいる。

 服部はっとり流派りゅうはの特訓場は、緑豊かな森に囲まれた静かな場所で、自然のエネルギーがあふれる空間だった。

 その中で俺は、心を落ち着けている。

 力が高まってきたので、俺は仲間達に向かって声を掛けた。


「今日こそ、雷の力を発動させてみせます。みなさん特訓を始めましょう!」


 仲間達も俺を見て、気合いを入れて特訓の準備を始めた。


「まずは、基本から始めよう」


 タクマにいがみんなの確認をしながら声を掛ける。


 雷の力を使うには、心を落ち着けて自然のリズムを感じることが大切だ。

 深呼吸をして、高まった力をキープしながら心を静める。

 周囲の風を感じながら、自然との一体感いったいかんを得ることが重要だった。

 目を閉じて、心の中で雷のエネルギーを感じようとしている。

 母と姉から受けいだ力を思い出して、その強さを感じ取る。

 心の中で雷がとどろくイメージをえがき、エネルギーを体内に呼び込む。

 すると、俺の周りに微かな光が集まり始めた。

 稲妻のような明るさが俺を包み込み、力強い風が巻き起こる。


「できた!」


 小さく俺はつぶやいた。


「おお、いいぞ!」


 おどろいた声をタクマにいが上げた。


「その調子だ。さらに力を入れてみろ!」


 集中を高めつつ、気持ちは落ち着かせて、雷のエネルギーをさらに引き出そうとした。

 周囲の風が俺の意志に反応すると、光がさらに強くなる。

 心の中で俺は、呪文を唱えた。


雷撃らいげき、俺に力を与えよ!)


 その瞬間、俺の手のひらに小さな雷の球が現れた。

 周囲の仲間達がその光景におどろきの歓声かんせいを上げる。


すごいぞ、バート。雷の力を使えるようになったんだ!」


 仲間達がその成長を称賛しょうさんする中、俺は自信を深めていった。


「でも、まだまだこれからだ。もっと自由にあやつれるようになりたい!」


 決意を新たにして、みんなに告げると、全員が俺を見て大きく頷いている。


「ヨシ! 次はその雷の力を使った攻撃の練習をしよう。連携を取ることで、より強力な技を生み出せるはずだ」


 特訓は続き、俺はタクマにいと共に連携攻撃の練習を始めた。


★★★★


 タクマにいが目標の注意を引く役をにない、そのすきに俺が雷の呪文を使うと言う作戦だ。


「先に攻撃するから、その後に雷刃らいじんを放ってくれ!」


 タクマにいが叫び、目標に向かってダッシュした。

 その瞬間を逃さず、俺は大きな声で雷の呪文を唱えた。


雷刃らいじん 俺達の敵をつらぬけ!」


 すると、手のひらから放たれた雷のやいばが空気を切り裂くように、直線的に飛んでいった。

 タクマにい炎刃えんじんと見事に連携して、雷のやいばが目標をつらぬいた。


「やったぞバート、見事な連携攻撃だ!」


 タクマにいが大きな声を上げてOKのサインを出している。

 俺も、その手応えを確かに感じていた。

 俺の心では、さらなる成長を目指す気持ちが強くなっていた。

 特訓が進むにつれて、俺は雷の呪力じゅりょくを自在にあやつれるようになり、様々な技をこころみることが出来るようになった。

 俺は自信を持って新しい技に挑戦して、失敗を繰り返しながらも、仲間達と共に連携を強化していった。


「次は、雷の力を使った防御技を練習しよう! 敵の攻撃を防ぎながら、反撃するような技が出来れば、もっと戦闘力が上がるはずだ」


 俺は頷き、仲間達もその意見に賛同さんどうしている。

 攻撃役をタクマにい達が担当し、俺が防御を担当することになった。


★★★★


 特訓場では、タクマにい達が俺に向かって全力の攻撃を仕掛けてきた。

 俺は心を落ち着けて、雷のエネルギーを集中させる。


いかづちたて 俺達の身を守れ!」


 自信をもって呪文を唱え、俺は周囲に雷のエネルギーを展開させた。

 タクマにい達の攻撃がいかづちたてに当たると、強烈な衝撃が走り周囲に稲妻が走った。

 その衝撃をしっかりと受け流して、次の瞬間には反撃の準備を整える。


「今だ! 風の呪力印じゅりょくいんのみんな! 合体がったい風刃ふうじん 大風刃だいふうじんで反撃するぞ」


 仲間に伝え、再び呪文を唱えて、大風刃だいふうじんを放った。

 タクマにい炎刃えんじん大風刃だいふうじんを切り裂いたが、カウンター攻撃が成功して、タクマにいもその出来栄できばえにおどろいていた。


「良し。いい感じだ! お前達の連携攻撃は本当に目覚ましいな! この調子で続けるぞ」


 タクマにいは笑顔で言った。

 特訓の終わりに近付くと、俺は仲間達との連携に自信を持ち、充実した感覚で心が満ちていた。

 今日の特訓を通じて、雷の呪力じゅりょくをより強力に使えるようになったことを実感し、相乗そうじょう効果こうかで風の力も強くなっていることを俺は感じていた。


「みなさん、明日も頑張がんばりましょう!」


 仲間達に呼び掛けて、笑顔でその日を締めくくった。

 俺の心には新たな決意が宿り、さらなる成長を目指して特訓を続ける意欲がいていた。



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